オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

なんとなく日光派? 布団のお手入れに「天日干し」と「乾燥機」、どちらが効果的?

布団のお手入れに欠かせない「天日干し」「布団乾燥機」ですが、どちらが効果的なのでしょうか。専門家に聞きました。

布団乾燥機と天日干し、どちらが効果的?
布団乾燥機と天日干し、どちらが効果的?

 晴れた日に布団を干し、ふかふかになった布団で眠るのはとても気持ちいいものですが、実際は天気に左右されたり、花粉が気になったりと、こまめに干すのはなかなか難しいもの。そんなときに便利なのが「布団乾燥機」ですが、ネット上では「布団乾燥機があれば天日干しする必要はないのでは?」「なんとなく、日光に当てた方がいい気がする」「効果の違いが知りたい」といった声もあります。

 布団のお手入れに欠かせない「天日干し」「布団乾燥機」は、どちらが効果的なのでしょうか。ハウスクリーニングアドバイザーの有賀照枝さんに聞きました。

ダニ対策では乾燥機に軍配

Q.そもそも、布団を干した方がよい理由は何でしょうか。

有賀さん「布団にこもった湿気を飛ばし、布団に潜むダニを繁殖させにくい環境にするためです。体調や季節などによっても変化しますが、人間は一晩でコップ1杯程度の寝汗をかくとされています。毎日、布団が寝汗を吸い、多くの湿気を帯びてくると、布団が重くなったりジメジメしたりして、よい睡眠の質を確保しにくくなります。人間は人生の約3分の1の時間を睡眠に費やすといわれるので、睡眠の質を上げるためにも、布団を干して快適な状態にするのが理想的です。

また、ダニが繁殖しやすくなる条件として(1)50~80%の湿度(2)餌になる髪の毛やフケ、あかなど(3)約20~30度の温度があります。この3つがそろうと、ダニの繁殖によりアレルギー症状が出るなど、健康に害を及ぼすことも考えられます。一方で、一つでも条件が欠けるとダニが大量繁殖しにくくなるので、餌となる髪の毛やフケなどがついたシーツやカバーをこまめに洗濯しつつ、布団を干して湿気を飛ばし、乾燥させるようにしましょう」

Q.天日干しのメリット/デメリットについて教えてください。

有賀さん「メリットは布団を干している間、寝床の風通しをすることができる点です。フローリングや畳に直接、敷布団を敷いていると湿気が逃げる場所がなくなり、場合によってはフローリングや畳にカビが生えることがあります。また、太陽光に含まれる紫外線による殺菌作用が期待できる上、電気代もかかりません。天日干し特有の『太陽のにおい』もメリットでしょう。

デメリットは季節や天候、布団の素材などによって、天日干しをする時間帯や長さ、場所を考慮する必要があることです。また、天日干しをしても、布団の中心部分のダニが死滅するわけではありません。重い布団を干すときは腰などに負担がかかることも考えられます」

Q.一方で、布団乾燥機のメリット/デメリットとは。

有賀さん「メリットは熱を使って、布団の中心部分に潜むダニを退治できる『ダニ退治機能』がついているものがあることです。ダニは乾燥と熱に弱いので50度で30分程度、60度ではすぐに死滅します。

また、悪天候で天日干しができないときや、腰痛持ちなどで布団を運んで干すのが難しいときも、布団乾燥機を使えば湿気を飛ばして気持ちよい布団で眠ることができます。布団以外にも、靴や洗濯物などを乾燥させることができるものもありますし、夏場は布団に冷風を送ってひんやりさせられるものもあります。

デメリットは、布団乾燥機を使うだけでは寝床と敷布団の間の湿気を飛ばすことが難しいことが挙げられます。また、電気代がかかる上、稼働音が気になる場合もあります」

Q.ずばり、布団乾燥機を使っていれば、布団を天日干しする必要はないのでしょうか。

有賀さん「布団乾燥機を使えば、布団の湿気を飛ばしてダニがすみにくい環境にすることができるので、天日干しをしなくても問題ないといえます。高層マンションや日当たりがあまりよくない家に住んでいる人は、ベランダや日の当たる室内に布団を干すのが難しいケースもあるので、布団乾燥機を使わざるを得ない場合もあるでしょう。

ただ、天日干しをして、太陽光のエネルギーをたくさん受けた布団にくるまって眠るのも気持ちよいものです。環境が許せば、時には天日干しをするのもよいのではないでしょうか」

Q.ハウスクリーニングのプロとして、「天日干し」と「布団乾燥機」のどちらを推奨しますか。

有賀さん「可能な環境であれば、天日干しと布団乾燥機を併用するのがおすすめです。布団の湿気を飛ばしたいときや晴れた日には天日干しをする、花粉やPM2.5が飛散していたり、雨など天候が悪かったりする場合は布団乾燥機を使う…というように、状況に応じて使い分けるとよいでしょう。

先述通り、ダニを死滅させるのが目的の場合は布団乾燥機を使う方が有効なので、一家に1台あるとよいと思います。2~3カ月に1度のペースで、布団乾燥機のダニ撃退機能を使用するのがよいでしょう」

1 2

有賀照枝(ありが・てるえ)

整理収納コンサルタント、ハウスクリーニング技能士

ハート・コード代表取締役。一般社団法人ライフ・アレンジ協会特別講師。2007年から家事代行・整理収納サービス開始。現場をよく知る整理収納のプロとして、セミナー講師、ジュピターショップチャンネルなどメディア多数出演中。「部屋磨きは自分磨き・職場磨きはスタッフ磨きに通じる」がモットー。著書「片付けが苦手な子が驚くほど変わる本」(青春出版社)。ハート・コード(https://www.heartscode.com/)。

コメント