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会社で「サンダル」「スリッパ」に履き替えて業務、ビジネスマナー的にOK?

社内でサンダルやスリッパに履き替えることに寛容な企業もあれば、禁止している企業もあります。ビジネスマナーの観点からは、どうなのでしょうか。

社内でサンダルはOK?
社内でサンダルはOK?

 社内で仕事をするとき、革靴やパンプスなど外出用の靴から、サンダルやスリッパに履き替えて仕事をする人も多いと思います。しかし、企業の中には、サンダルやスリッパを履いて仕事をすることを社内規定で禁止している企業もあり、企業ごとに対応が分かれるようです。社内でサンダルやスリッパに履き替えて業務を行うことは、ビジネスマナーとしてどうなのでしょうか。

「マナーは互いをプラスにするもの」をモットーに、国内外の企業や大学などで人財育成教育やマナーコンサルティングを行うほか、NHK大河ドラマなどのドラマや映画でマナー指導を行い、国内外で90冊以上のマナー本を出版・監修するマナーコンサルタントでマナー評論家の西出ひろ子さんに聞きました。

社内規定があればOKだが…

Q.社内で仕事をするとき、サンダルやスリッパに履き替えて仕事することは、ビジネスマナーとしてどうなのでしょうか。

西出さん「まず、けがなどで靴を履けず、サンダルやスリッパを履いている状況の場合は、今回の回答は該当しませんので、その点をご理解いただいた上でお話しいたします。

前提として、マナーは受け取る人によってさまざまな捉え方があります。さまざまなケースがあるので、一概にこの行為がマナーとしてよい悪いと白黒を付けられるものではありません。それを踏まえて言うと、就業規則などの社内規定に『サンダルやスリッパに履き替えてもよい』という規定があれば、問題はありません。

つまり、社内をサンダルやスリッパで歩き回ることも大丈夫です。来客への対応で、サンダルやスリッパのまま対応した場合でも、相手がどう思うかを抜きにして考えれば、問題ではありません。社内規定がある場合は、基本的にはその規定に従いましょうということです」

Q.社内規定がない場合は、どのように対応したらよいですか。

西出さん「私見になりますが、『相手がどう思うか』というマナー的観点からお伝えしますと、規定がない場合は、上司や先輩がどうしているか、また、上司や先輩に伺いを立て、了承を得れば、一般的に自分のデスクに座って仕事をしているときのみ、履き替えることが可能と考えます。

つまり、例えば、少し離れた上司の席まで仕事の相談に行く、お手洗いに行くなど、少しでも自分のデスクから離れるときには、革靴やパンプスなどに履き替えた方が無難でしょう」

Q.サンダルやスリッパに履き替えることが会社の規定でOKであっても、注意した方がよいことはあるのでしょうか。

西出さん「サンダルやスリッパの形状や色に注意した方がよいかもしれません。ただ、社内規定でサンダルやスリッパがOKの企業であれば、どのようなサンダルはOKで、どのようなサンダルはNGか、決められていることが多いと思います。例えば、サンダルの後ろがストラップ形状のものであればOK、ヒール部分が3センチぐらいの厚さであればOK、などのようにです。

一般的なビジネスシーンでは、サンダルやスリッパの色は黒が無難でしょう。女性は服装の色に合わせて、ナチュラルな色のストッキングになじむ茶やベージュでもよいですね。もう一つ注意すべきは、歩き方です。サンダルやスリッパを履くと、床から足を上げにくくなるため、足を引きずるように歩いてしまう傾向にあります。そのため、足音を不快に感じる人や、だらしないという印象を抱く人もいるようです」

Q.規定でサンダルやスリッパがOKであっても、来客対応のときにそれらを履いて対応すると、不快に感じる来客がいるかもしれません。OKであっても履き替えた方がよいのでしょうか。

西出さん「ビジネスマナーだけではなく、マナー全般に言えるのは『相手の立場なら自分の行動や身なりについてどう思うのだろうか』と考え行動することです。仮に社内規定で、来客時のサンダルやスリッパでの対応がOKであったとしても、相手が不快に思わないとは言い切れません。そうしたリスクを低減させるためにも、革靴やパンプスなどに履き替えて応対した方が安心といえます」

Q.企業には、宅配便の配達員など定期的に訪れる来訪者もいます。こうした来客への対応でも、サンダルやスリッパから履き替えて対応した方がよいのでしょうか。

西出さん「履き替えて対応することをおすすめします。定期的に来訪するとはいえ、サンダルやスリッパでの対応をネガティブに捉えている可能性がないとは言えません。宅配便の配達員も、仕事を離れれば、自社の商品やサービスを購入する顧客になり得ます。もし、サンダルやスリッパをネガティブに捉えていれば、購買行動に影響する可能性もあります。ビジネス的な視点からも、企業への来客と同じように対応した方がよいです」

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー評論家、ヒロコマナーグループ代表

大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経てマナー講師として独立。31歳でマナーの本場英国へ単身渡英。オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと起業し、お互いをプラスに導くヒロコ流マナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナー研修やおもてなし、営業接客マナー研修、マナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績は、テレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「いだでん」「花燃ゆ」「龍馬伝」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などドラマや映画、書籍でマナー指導・監修者としても活躍中。著書は、28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)「マンガでわかる! 社会人1年生のビジネスマナー」(ダイヤモンド社)「マナーコンサルタントがこっそり教える 実は恥ずかしい思い込みマナー」(PHP研究所)「運のいい人のマナー」(清流出版)など監修含め国内外で90冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)など、子どものマナーからビジネスマナーやテーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)、プレミアムマナーサロン(http://www.erh27.com)。

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