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壇蜜さん夫、誤記入で名字が“齋藤”に…受理された「婚姻届」は訂正できる?

壇蜜さんと結婚した清野とおるさんが、婚姻届の「婚姻後の夫婦の氏」の記載を誤り、名字が壇蜜さんの「齋藤」に変わったことを明かしました。婚姻届は訂正できるのでしょうか。

清野とおるさんと結婚した壇蜜さん(2018年1月、時事通信フォト)
清野とおるさんと結婚した壇蜜さん(2018年1月、時事通信フォト)

 11月22日に結婚を発表した、タレントの壇蜜さんと漫画家の清野とおるさん。その後、清野さんが自身のツイッターで、婚姻届の「婚姻後の夫婦の氏」の記載を誤り、名字が壇蜜さんの氏である「齋藤」に変わってしまったことを明かし、話題になりました。

 清野さんは、氏名変更による印鑑登録抹消通知も受け取っており、ネット上ではこうした公的書類の記入誤りについて、「こういう間違いは起こり得るよね」「提出後でも訂正できるの?」などの声が上がっています。

 提出・受理された婚姻届の訂正は可能なのでしょうか。グラディアトル法律事務所の井上圭章弁護士に聞きました。

「錯誤または遺漏」など一定条件で

Q.一般的に、役所における婚姻届の確認はどの程度行われるものなのでしょうか。

井上さん「役所に婚姻届を持っていった際、担当の職員が確認します。このとき、『婚姻後の夫婦の氏』の記載の誤りもチェックしてくれればいいのに…と思われるかもしれません。

しかし、婚姻届の確認は、夫になる人は18歳以上か▽妻になる人は16歳以上か▽2人とも独身か▽近親婚ではないか▽未成年の場合、父母の同意があるか▽証人2人の署名押印があるか、などの形式的な確認をすることとされており、『夫の氏を名乗るのか、妻の氏を名乗るのか』といった実質的な記載部分の確認までは認められていません。

そのため、婚姻届を出す当事者が不注意で記載を誤った場合、そのまま受理されてしまいます」

Q.提出・受理された婚姻届の記載の誤りを訂正することは可能でしょうか。

井上さん「『戸籍の記載が法律上許されない』『錯誤(勘違い)または遺漏(書き漏れなど)がある』『婚姻届などが無効』など一定の条件を満たす場合には、『戸籍の訂正』という手続きをすることになり、家庭裁判所に戸籍訂正許可の申し立てをすることができます。

申し立てをするためには、家事審判申立書に『戸籍訂正許可』と書き、必要事項を記入します。また、戸籍謄本などの添付書類を一緒に提出します。その後、家庭裁判所での審判を経て、戸籍訂正許可審判が確定したら、1カ月以内に審判所の謄本と確定証明書を添えて、役所に戸籍訂正申請をすることとなります。

今回のケースでは、『夫の氏とすべきところを勘違いして妻の氏を書いてしまった』ということで、錯誤を理由に戸籍訂正許可を申請することになるでしょう」

Q.一方で、訂正が認められないケースとしては、どのような理由・事情が考えられますか。

井上さん「先述通り、戸籍の訂正が認められるのは、戸籍の記載が法律上許されないものである場合や記載に錯誤や遺漏がある場合など、法律に規定がある場合に限られます。そのため、これらに該当しない場合には、戸籍の訂正は認められないこととなります」

Q.誤りの訂正が認められず、「婚姻後の夫婦の氏」が意図しない形で確定した場合、氏を変更することはできるのでしょうか。

井上さん「戸籍の訂正が認められなかった場合に氏を変更する方法として『氏の変更』があります。家庭裁判所に氏の変更許可の申し立てを行い、裁判所の許可が出た場合、氏の変更が認められることとなります。

氏の変更が認められるためには、『やむを得ない事情』が必要です。具体的には『氏の変更を行わなければ、その人の社会生活において著しい支障を来す場合』と考えられており、申し立ての際、一緒に提出する資料などを参考に裁判所が判断することとなります。

その他、あくまで考え得る一つの方法としてですが、一度離婚し、再婚するという方法もあります」

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井上圭章(いのうえ・よしあき)

弁護士

弁護士法人グラディアトル法律事務所所属。九州国際大学法学部卒業後、京都産業大学法科大学院修了。「労働問題」「男女トラブル」「債権回収」「不動産トラブル」などを得意分野とする。

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