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公園でバーベキュー…キャンプ場以外で火を使って調理する行為、法的問題は?

季節を問わず、公園などの屋外でバーベキューをしている人を見かけることがあります。火の取り扱いが許可された場所以外で調理を行っても、法的責任は問われないのでしょうか。

過去の風景となった、たき火で焼き芋
過去の風景となった、たき火で焼き芋

 民家の庭や河川敷で、たき火を見かけることが少なくなりました。以前であれば、拾い集めた落ち葉を燃やして焼き芋を作ることもありましたが、そのような光景は過去のものとなりつつあるようです。一方、公園では、コンロなどを持ち込んでバーベキューをしている人を見かけますし、とあるテレビ番組では、街中に調理器具を設置し、通りすがりの人に指定の料理を作らせる企画もあります。

 キャンプ場など火の取り扱いが許可された場所以外で調理をすると、法的責任を問われることはあるのでしょうか。グラディアトル法律事務所の井上圭章弁護士に聞きました。

多摩川河川敷では2万円以下の過料も

Q.キャンプ場以外の屋外で火を使って調理を行うと、法に触れる可能性はありますか。

井上さん「誰もが自由に利用できるとされている公園や河川であっても、条例で火気の使用が禁止されている場所であれば、条例違反となる可能性があります。例えば、多摩川の河川敷の一部では、『狛江市多摩川河川敷の環境を保全する条例』によって、バーベキューなど火気を使った食品の調理を原則禁止しており、違反した場合、2万円以下の過料に処せられる可能性があります。

また、公園や河川でも管理者がいる場所では、バーベキューなどの火を使った調理は自由に行えず、管理者に従う必要があります。例えば、都内の公園の中にもバーベキューのできる公園がありますが、利用許可が必要な場合や利用場所、利用方法が指定されていることもあるため、事前に管理者への確認が必要です。一方、自分が所有する土地や管理する場所でのバーベキューなどは、他人に迷惑をかけない範囲であれば自由に行うことができます」

Q.自宅の庭やベランダで調理をしたり、住人向けのイベントとして団地やマンションの敷地内で調理したりすることは問題ないのでしょうか。

井上さん「自分の家の庭やベランダで火を使った調理をする行為そのものは、度を越したものでない限り、問題となることは少ないでしょう。ただ、バーベキューなどは、においや煙が近隣の家に流れることも多いため、一定の配慮は必要でしょう。もし、においや煙があまりにもひどい場合は不法行為が成立し、においや煙によって生じた損害を賠償する責任に問われる可能性があり、注意が必要です。

他方、団地やマンションの敷地内で調理をする行為については、管理者の同意や管理規定に従った利用である必要があります。また、敷地内での調理が管理上認められる場合であっても、多くの人が共同して生活する場ですので、一軒家の場合などに比べ配慮が必要となるでしょう。また、町内会や自治会など多くの人が参加する行事などで調理をする場合、自治体の担当部署への事前の相談や開催の届け出が必要となる場合があります。事前に自治体へ相談した方がよいでしょう」

Q.東京タワー下の公道上などに調理器具を設置し、通りすがりの人に声をかけて調理をさせるテレビ番組の企画があります。街中での調理は、許可を取る必要があるのでしょうか。

井上さん「例えば、道路を使用して露天や屋台などを出す場合、道路の使用許可を取る必要があります。使用したい場所を管轄する警察署長に対し、『道路使用許可申請書』と必要書類をそろえ、提出する必要があります」

Q.屋外での調理は、どのような罪に問われるのでしょうか。

井上さん「先述のように、条例で禁止されている場所で火気を使用して調理などをする行為は、条例違反に問われる可能性があります。また、建物や森林など燃えるものの近くで不注意に火をたく行為は、軽犯罪法違反に問われる可能性があります」

Q.野焼きは原則禁止とされていますが、落ち葉だきは例外的に認められていると聞いたことがあります。落ち葉を使って焼き芋などを作る行為は法に触れる可能性はありますか。

井上さん「一般的に、廃棄物は一定の要件を満たす場合を除き、焼却してはならないとされており、違反者には、5年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金またはその両方が科される可能性があります。野焼きについても、草木などの廃棄物を焼却する行為のため、一定の要件を満たさない場合、廃棄物処理法違反で処罰される可能性があります。

もっとも、いくつか例外的に認められているものがあります。例えば、(1)災害などの予防や復旧のために必要な廃棄物を焼却する場合(2)農業・林業などを営むためにやむを得ないものとして行われる廃棄物の焼却(3)たき火、その他日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であって軽微なものなど――については、例外的に一定の要件を満たさない場合でも焼却が認められます。

落ち葉の焼却については、例外のうちの『日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却であって軽微なもの』に当たると考えられ、焼却が認められます。落ち葉を使った焼き芋についても、程度にもよりますが焼き芋のための落ち葉の焼却であり、自宅など自分の敷地で行う範囲であれば例外的に認められるでしょう」

(オトナンサー編集部)

井上圭章(いのうえ・よしあき)

弁護士

弁護士法人グラディアトル法律事務所所属。九州国際大学法学部卒業後、京都産業大学法科大学院修了。「労働問題」「男女トラブル」「債権回収」「不動産トラブル」などを得意分野とする。

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