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茶色い斑点が目安? 「バナナ」が食べ頃か、傷んでいるかはどう見極める?

バナナが食べ頃なのか、それとも、食べ頃を通り越して傷んでいるのかを見分けるのは難しいように感じます。業界団体に聞きました。

バナナの食べ頃、どう見分ける?
バナナの食べ頃、どう見分ける?

 バナナを購入後、熟して甘くなってから食べようと、常温で数日間、保管する人も多いと思います。一般的に、バナナをおいしく食べられる目安は、バナナの表皮に茶色い斑点が現れたときとされていますが、おいしく食べようとさらに常温で保管した結果、傷んだバナナを食べてしまったことのある人も多いかもしれません。

 バナナが食べ頃なのか、それとも、食べ頃を通り越して傷んでいるのかを見分ける方法について、日本バナナ輸入組合の広報担当者に聞きました。

傷み始めは果肉で判断

Q.「バナナに茶色い斑点が現れるとおいしい」と言われるのは、熟して茶色い斑点が出るほどバナナが甘くなるからですか。

担当者「バナナの茶色い斑点は『シュガースポット』と呼ばれ、甘くなった印とされています。しかし、本来この茶色い斑点は、バナナの熟成が進み、果皮が劣化したことで発生するものなので、果肉の甘さとは直接、関係はありません。

ただ、バナナの熟成が進んで、糖度が程よく上がった頃が、甘さ、香り、食感ともにおいしいとされているので、茶色い斑点がおいしさの目安とされています」

Q.バナナが甘くなるプロセスとは、どのようなものですか。

担当者「熟成する果物であるバナナの表皮は、もともと緑色で、この状態では渋くて硬く、とても食べられる状態ではありません。『追熟(ついじゅく)』という過程を経て、甘く食べられる状態となります。これは、果肉中のでんぷん質が糖分に変わる『糖化』によるものです。

店頭に並び始めたバナナに多く見られますが、両軸に緑色が残った状態のバナナは、さっぱりとした甘さです。時間の経過とともに軸を含めた全体が黄色に色づき、やがて茶色い斑点が所々に現れ、深い甘みのバナナとなります」

Q.バナナの表皮に、茶色い斑点がどれくらい現れたときが食べ頃なのでしょうか。

担当者「茶色い斑点の割合がこれくらいになれば食べ頃というように、バナナの食べ頃を一概に言うことは難しいです。さっぱりした甘さが好きな人、より深い甘みが好きな人と、個人のバナナの食味(甘さ)に対する好みが違うからです。

ただ、例えば、深い甘みが好きな人は茶色い斑点が現れたバナナがおすすめです。茶色い斑点がより多く出ているということは、甘みも深くなりますが、果肉も柔らかくなります。バナナは熟成とともに、甘みに加え食感も変わります」

Q.少しでも甘くておいしいバナナを食べようと常温保存しておくと、表皮が黒くなってきます。これはバナナが傷み始めたサインなのでしょうか。

担当者「傷み始めたサインとは言い切れません。バナナが傷み始めるサインは、表皮の色ではなく、果肉の状態で判断します。もし表皮が黒くなってしまっても、むいたときに果肉がきれいな状態であれば、問題なく食べられます。

一方で、皮をむいたときに、果肉にすっぱいような異臭がしたり、口に入れてもバナナの甘さが感じられず舌に刺激があったり、発酵したような味がしたりする場合は、傷み始めのサインと判断できます」

Q.熟して食べ頃のバナナと、傷み始めたバナナを見分けるのは難しいのでしょうか。食べられるか食べられないかの境目について、見分け方はありますか。

担当者「見た目だけで、熟して食べ頃のバナナなのか、傷み始めたバナナなのかを見分けるのは難しいです。明らかにバナナの香りとは異なり、食べてみて、通常のバナナの味がしないときは傷んでいる可能性があると思われます。

また、見た目で傷んでいるかどうかを見極められるのは、表皮に圧力が加えられ果肉がダメージを受けた場合です。果肉に圧力を加えられると、その部分が褐色に変わり、どろっとした状態になっています。こういった状態のバナナは、避けた方がよいでしょう」

Q.バナナをおいしく熟させるためには、どんな状態で保管するのがよいのでしょうか。

担当者「15~20度くらいの室温がバナナの保存に適した温度です。直射日光の当たらない、風通しのよい場所がおすすめです。熱帯の果物であるバナナは、基本的に冷蔵庫での保存はNGです。低温障害という代謝不良を起こし、バナナの色がくすむからです

ただ、室温が高い夏場は、常温では熟成も早く進み、傷みがちです。表皮が乾燥しないよう、新聞紙にバナナを包んで、冷蔵庫の野菜室に入れることで若干、日持ちをさせることができます」

Q.バナナは「一日の中でこの時間に食べるとよい」というベストな時間帯はあるのでしょうか。

担当者「摂取タイミングによる健康への影響や効果などの研究はしておらず、お答えできません。しかし、一般人を対象に例年行っている調査では、バナナを食べる時間帯は朝が圧倒的に多く、次いで間食のタイミングとなっています。栄養価が高く、エネルギー源ともなり、腹持ちのよいバナナは、朝におすすめの食品として評価してもらっています」

(オトナンサー編集部)

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