仕事の能率を下げる「ストレス」を解消して、生産性を高める方法
仕事の能率を上げようと一生懸命取り組んだものの、かえって能率が下がってしまったことがあると思います。無理なく能率を上げるには、どうすればよいのでしょうか。
職場や家庭で仕事の能率を上げようと思っても上がらないことがあるものです。時間当たりでできることを増やそうと、一生懸命やればやるほど苦痛に感じてしまい、かえって能率が下がってしまうこともあります。
働き方改革で、生産性を上げようというフレーズが頻繁に語られるようになりましたが、かけ声ばかりかけられても能率は上がりません。言われなくても、自分でも能率を上げようと思っているのにそれがままならない場合、どうしたらよいのでしょうか。
モチベーションファクターのギャップを解消
この問題を突き詰めていくと、仕事によって能率が上がるものと上がらないものがあることが分かってきました。そして、能率が上がらない仕事をしているときには、苦痛を感じたり、苦痛とまではいえないけれども、違和感を覚えていたりすることが多いのです。
つまり、ストレスが能率を低下させているので、違和感の原因を見極めて、それが解消されてストレスが緩和されれば、能率が上がり、生産性が高まることになります。このように申し上げると、「そんなうまい方法があるのか」「そんな良い方法があればとっくにやっている」という声が聞こえてきますが、あるのです。それも、この連載で紹介したモチベーションファクター(意欲を高める要素)を活用し、わずか5分程度でできます(※表参照)。
その方法とは、自分のモチベーションファクターと、その仕事に必要なモチベーションファクターのギャップを見極めて、ギャップを解消する方法です。能率が上がらない、ひいては、違和感を覚える仕事とそうでない仕事と一体何が違うのか掘り下げていくと、そのギャップがあるかないかということに行き着きます。
ギャップの最も簡単な見極め方は、上記の表に当てはめて、見当付ける方法です。自分にとって大事だと思うキーワード8つに「○」を付けます。最も多く「○」がついた志向や要素が、自分のモチベーションファクターということになります。
次に、その仕事に必要なキーワードに「□」を付けます。「○」と「□」がついた志向や要素が一致していれば、モチベーションファクターが一致していると言えますし、一致していなければギャップがあるということです。
例えば、自分はリスクを度外視してチャレンジしていきたい目標達成型だけれども、今取り組んでいる仕事は一つ一つエラーを見つけ出して解消していく、安定保障型の仕事だという場合、そのギャップに違和感やストレスの原因があることが多いのです。
また、自分は一匹狼として独自性を発揮して仕事をしたい自律裁量型だけれども、今やらなければならないことが、周囲と協力してまとめていかなければならない他者協調型の仕事の場合、やはりギャップが大きいということになります。
最後の手段として「担当変更」も
ギャップを解消していくには、自分と仕事のモチベーションファクターを連動させたフレーズで動機付けしたり、連動させて取り組んだりすると効果があります。前の例では、「進捗と達成度合を確認しながら(目標達成)、エラーをつぶす(安定保障)」「独自の方法で(自律裁量)、連携を図る(他者協調)」というフレーズになります。
それでも違和感が解消しなければ、仕事のモチベーションファクターと同じモチベーションファクターの持ち主にサポートしてもらったり、一緒に仕事をしたりする方法もありますし、最後の手段として担当変更もあります。適材適所とは、組織の中で自分と仕事のモチベーションファクターの一致度を極大化させるということなのです。
(モチベーションファクター代表取締役 山口博)
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