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年収2300万円医者と離婚、39歳女性が「養育費」の安定的支払いを勝ち取るまで(下)

夫の不倫相手の夫へ、手紙を書いた妻

 その結果、裁判所で「夫が妻に、未成年の子の養育費として毎月30万円を子が満20歳に達するまで支払うこと」と決めてもらったのです。里美さんは「裁判所で決まったのだからこれで安心」と思い込み、実際に最初の7カ月間、夫は毎月30万円を振り込んできたのですが、8カ月目に突然振り込みが止まってしまったのです。何があったのでしょうか。

 里美さんと夫の調停離婚は成立したのですが、里美さんの荷物はクリニックに置いたままでした。里美さんは前もって夫と調整し、クリニックが休みの日曜日の午前中に荷物の運び出しを行うことになりました。そして、予定日。里美さんは2年ぶりにクリニックのドアを開けたのですが、夫は油断していたのでしょうか。里美さんは机の上にある手紙を発見したのです。

「順くん(夫)のことが大好きだよ。でも現世じゃ一緒になれない運命みたいね。楽しみは来世に取っておくから」

 不倫相手の女が書いたであろうことは明らかでした。手渡しではなく郵送で送ってきたようで、宛先にはクリニックの住所と夫の名前、そして、差出人として女の住所、名前が書かれていました。夫のフェイスブックを確認したところ、友達欄には女の名前。さらに、女のページを見ていくと「配偶者」の欄に夫の名前も書かれていたのです。

 女は家庭ある身なのに夫と恋愛関係に至ったのですが、女の家庭は何事もなく、自分の家庭は離婚という結果になったことがどうしても許せなかったようです。里美さんは復讐(ふくしゅう)の手段を思いつきました。女の夫にも不倫の事実を知らせるのです。里美さんは女の住所、女の夫の名前宛に手紙をしたためました。

「あなたも奥さんに裏切られたんですよ。私と同じ立場でしょう。二人を懲らしめるために一緒に協力してくれませんか」

 しかし、里美さんの勇み足は完全に裏目に出ました。手紙を送ってから1週間後、夫が電話をかけてきてすごい剣幕で怒鳴りつけてきたのです。

「自分が何をしたか分かっているのか。彼女の旦那は(大学病院の)教授なんだぞ。医局はピラミッド社会で教授の人事権は絶大だ。俺が学会で干されたらどうするんだ!」

 不倫相手は医者夫婦だったようで、里美さんの手紙を女の夫が読んだせいで不倫の事実が明るみに出た格好です。元はと言えば、教授の妻と付き合った夫が悪いのですが、里美さんが何を言おうと「お前のせいだ」の一点張り。そして、養育費30万円が振り込まれず、里美さんは途方に暮れてしまったのです。夫の機嫌次第で養育費をもらえたり、もらえなかったりするようでは困ります。どうしたら、夫の機嫌をうかがわず養育費を払わせることができるのでしょうか。

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

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