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日焼けが気になる季節…乳幼児に「日焼け止め」を塗っても大丈夫? 薬品の影響は?

乳幼児に日焼け止めを塗る保護者がいますが、化学薬品も含むため、肌の弱い乳幼児に何らかの害はあるのでしょうか。専門家に聞きました。

乳幼児に日焼け止めを塗っても大丈夫?
乳幼児に日焼け止めを塗っても大丈夫?

 梅雨が明け、本格的な日差しが降り注ぐ季節を迎えました。外出時の日焼けが気になり、日焼け止めを塗る人も多いのではないでしょうか。最近は、子どもに日焼け止めを塗る保護者も増えていますが、中には乳幼児にも日焼け止めを塗る保護者もいるそうです。確かに乳幼児は、肌が弱く、日焼けをさせると何らかの影響が出るかもしれません。しかし、日焼け止めは化学薬品も含むため、無害とは言い切れない可能性もあります。

 乳幼児に日焼け止めを塗っても問題ないのでしょうか。アヴェニュー表参道クリニックの佐藤卓士医師(皮膚科・形成外科)に聞きました。

生後6カ月までは使用を控える

Q.日焼けが乳幼児の肌に与える影響には、どのようなものがありますか。

佐藤さん「短期的には、日焼けにより皮膚炎ややけどを起こすことがあります。やけどになると赤くなってひりひりするだけではなく、腫れたり水ぶくれができたりして、ひどく痛むこともあります。日焼けの面積によっては、脱水症状を起こして発熱や関節痛、だるさなどの全身症状が現れることがあります。

長期的には、シワやシミなどの皮膚老化を早める、将来、皮膚がんを起こしやすくなる、白内障などを起こしやすくなることが分かっています」

Q.紫外線(UV)を防ぐため、乳幼児に日焼け止めを塗る保護者は増えているのですか。

佐藤さん「1980年代くらいまでは、日光を浴びることは健康によいことだと言われた時代でした。その時代に生まれた保護者の中には、紫外線対策は不要だと思っている人もまだおられます。現在は、日焼けによる長期的な影響が分かってきたほか、オゾン層破壊によって紫外線量も以前より増えていることから、乳幼児期から日焼け対策をする重要性が叫ばれています。

地道な啓発活動やインターネットによる拡散で、最近では、ほとんどの保護者が乳幼児の日焼けはよくないと認識しています。それに伴って、どの日焼け止めを使ったらよいかなどの相談を受けることも多くなり、使用している保護者は増えていると思われます」

Q.乳幼児に日焼け止めを塗ることは、問題ないのですか。特に、乳児に対して日焼け止めを塗っても大丈夫なのでしょうか。

佐藤さん「幼児は問題ありません。むしろ、紫外線予防は積極的にした方がよいと思います。乳児は肌のバリア機能がとても弱く、肌トラブルに見舞われやすいです。生後6カ月までは日焼け止めを塗るのは控えましょう。それまでは、ベビーカーのほろ、帽子、体を覆う部分が多い衣服などでカバーし、直射日光が当たらないよう心がけましょう」

Q.生後6カ月以降の乳幼児には、どのような日焼け止めを使えばよいですか。

佐藤さん「ベビー用、子ども用と記載されているものを使用しましょう。日焼け止めの効果は『SPF』『PA』という指標で示され、SPFは数値が大きいほど、PAは『+』マークが多いほど紫外線防止効果が高くなります。

日本臨床皮膚科医会や日本小児皮膚科学会が推奨している日焼け止めの条件は(1)SPF15以上、PA++~+++のもの(2)無香料および無着色の表示があるもの(3)プールでの使用は耐水性、またはウオータープルーフの表示があるもの――です」

Q.どれくらいの分量を、どれくらいの頻度で塗ればよいですか。

佐藤さん「顔に塗る場合、クリーム状のものはパール粒1個分を、液状のものは1円玉1個分を手のひらに取って、額、鼻、両頬、顎に分けておき、そこから満遍なく丁寧に塗りのばします。それをもう一度やって重ね塗りします。

腕や足などに広範囲に塗る場合は容器から直接、直線を書くようにつけてから、手のひらでらせんを描くように均一にむらなくのばします。日焼け止めの効果を持続的なものにするには、2~3時間おきに塗り足した方がよいといわれています」

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佐藤卓士(さとう・たかし)

医師(皮膚科・形成外科)・医学博士

アヴェニュー表参道クリニック院長。京都大学農学部卒業。九州大学医学部卒業。岡山大学医学部、杏林大学医学部、都立大塚病院形成外科にて研鑽(けんさん)を積み、現在に至る。日本形成外科学会認定専門医、日本レーザー医学会認定レーザー専門医。日本形成外科学会、日本皮膚科学会、日本美容外科学会、日本レーザー医学会、日本手外科学会、日本創傷外科学会所属。アヴェニュー表参道クリニック(https://www.a6-clinic.com)。

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