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患者急増! 子どもの「手足口病」の原因や症状は? 大人にうつったらどうする?

乳幼児の口内や手足に発疹が出る「手足口病」の患者が、例年以上のペースで増えています。対処法を聞きました。

手のひらなどに発疹が出る手足口病
手のひらなどに発疹が出る手足口病

 乳幼児の口内や手足に発疹が出る「手足口(てあしくち)病」は毎年夏に流行のピークを迎えますが、今年は西日本を中心に、患者数が例年以上のペースで急増しています。通常は数日で治りますが、まれに脳炎などを併発したり、子どもから大人にうつったりするケースもあります。子どもが手足口病に感染した際、どのように対処すればよいのでしょうか。医師の市原由美江さんに聞きました。

手足に水疱、熱が出ることも

Q.手足口病にかかる原因と主な症状は。

市原さん「手足口病は『コクサッキーウイルス』『エンテロウイルス』といったウイルスに感染することから発症し、手や足、口の中に水疱ができ、熱が出ることもあります。5歳以下の子どもが感染するケースが多いです。1週間以内で治ることがほとんどですが、まれに髄膜炎や脳炎になることがあり、注意が必要です。特効薬はなく、例えば、熱に対して解熱剤を使うなど対症療法となります」

Q.子どもが感染した場合、幼稚園や保育園に登園してもよいタイミングは。

市原さん「インフルエンザのように登園可能になるタイミングが決められていません。治っても約1か月間はウイルスを持っていますが、その間ずっと自宅待機をするのは現実的ではありません。通常は、熱が下がり、本人が元気に過ごしているなら登園することが多いのが現状です。ただし、他の子どもや大人にうつす可能性はあるので、子ども同士があまり接触しないような遊び方を工夫したり、排せつ物の処理の際、保育士さんに注意してもらったりするなど、少し配慮する必要があります」

Q.子どもから大人に感染する確率は高いのでしょうか。

市原さん「子どもから親に感染することが多いです。感染経路は、せきやくしゃみで飛散した唾液で感染する飛沫(ひまつ)感染、唾液や鼻水が付着した手で親を触って感染する接触感染があります。また、便の中にもウイルスが含まれているので、おむつなどの処理をする機会のある保育士さんも感染のリスクがあります」

Q.大人が感染した場合、子どもに比べ重症化しやすいという話を聞きますが、本当でしょうか。

市原さん「大人が感染した場合、症状は同じですが、重症化しやすい傾向にあります。例えば、高熱が続いたり、発疹の程度や痛みが強かったり、のどの痛みが強かったりします」

Q.もし大人が感染した場合、家族または家族以外の他の大人に感染する可能性はあるのでしょうか。感染したら、治るまでは出勤しない方がよいのですか。

市原さん「飛沫感染、接触感染する病気なので、家族や他の大人にうつす可能性はあります。『患者本人がマスクをする』、手足の水疱の中にウイルスがいるため、『家族とタオルを共用しない』『他の人が触りそうなものをなるべく触らない』などの注意が必要です。

症状が治まっても約1か月間はウイルスを体外に排出しますが、その間、ずっと仕事を休むことは現実的ではありません。出勤する際は『マスクをする』、手に出た発疹から感染することがあるので『共用のパソコンなどは使用を控える』『手袋やばんそうこうをする』『周りの人にも手洗いを徹底してもらう』などの注意をしてください」

Q.感染を防ぐためには。

市原さん「基本的なことですが、手洗いをしっかり行うことです。感染者が家族にいるのであれば、排せつ物の処理を適切にすることです」

Q.手足口病は一度感染すると、その後はかかりにくくなるのでしょうか。

市原さん「子どもの頃に感染したことがあると、大人になってもかかりにくいのは事実ですが、手足口病の原因となるウイルスは複数あるため、大人になっても感染しますし、感染を繰り返す可能性もあります」

Q.子どもを病院に連れていく目安は。

市原さん「自己判断せず、発熱や発疹が出たら小児科を受診することをお勧めします。一時的な高熱や発疹で慌てる必要はありませんが、先述したように、まれに髄膜炎や脳炎を起こすことがあります。『高熱でぐったりしている』『水分が取れない』『頭を痛がる』『吐く』などの症状が出た場合は急いで受診しましょう」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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