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「24時間営業」廃止はファミレス各社に何をもたらすのか

利益率改善などで「長期的にはメリット」

 一方で、企業側は人員の確保が容易になり、生産性が向上するメリットもあると東さん。大手飲食チェーンの長時間労働が社会問題化し、業界のイメージが悪化したことから、近年では深夜時間帯の人員確保が大きな課題となっていました。また、深夜に社員などの責任者を配置する必要もあり、「労働条件が自然と悪化し、離職率も増加していました」。深夜営業を廃止すれば、こうした問題の解決が見込まれるといいます。

 深夜時間帯は人件費や光熱費などの観点から、これまでも売り上げ効率が悪いとされてきました。「ファミレスは来客数がゼロでも、調理スタッフとホールスタッフの最低2人を配置しなければ仕事が回りません。その結果、1人あたりの売上高は低くなり、効率が悪かったのです」。

 東さんによると、多様化する個人のライフスタイルに対応するため、業界各社が24時間営業に力を入れ始めたのは「約15年前」。しかし、前述のように、個人のライフスタイルはそれ以上の変化を見せており、業界がそれに追いついていない現状があります。

 これらを踏まえて、東さんは「長期的視点に立てば、企業にとってはメリットのほうが大きいでしょう。一時的に売り上げは減少しますが利益率は改善するはず。投資家も廃止に前向きです」と話しています。

(オトナンサー編集部)

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東さやか(あずま・さやか)

エヌピーディー・ジャパン株式会社フードサービスシニアアナリスト

慶應義塾大学法学部卒。2003年7月エヌピーディー・ジャパンの前身「ジャパン・クレスト」入社。前職は、居酒屋「天狗」で副店長。NPDでは約9年間、外食・中食市場情報サービス「CREST」のデータプロセス・市場データ収集に関わり、すべてのOAデータを目視確認した。その後、クライアントデベロップメント部で分析・顧客開拓を担当。フードサービスシニアアナリストとしてメディアで執筆なども手掛ける。エヌピーディー・ジャパンは売り上げ世界10位の市場調査カンパニー「The NPD group」の日本法人。http://npdjapan.com/

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