「24時間営業」廃止はファミレス各社に何をもたらすのか
ファミレス各社が脱「24時間営業」を進めています。その背景には、若者の減少やライフスタイルの変化があるようです。今回はファミレス業界を取り巻く現状や今後の見通しについて聞きました。
ファミリーレストラン各社による脱「24時間営業」が加速しています。
「ロイヤルホスト」を運営するロイヤルホールディングス(HD)が来年1月までに24時間営業を廃止することを決定したほか、業界最大手の「すかいらーく」も深夜営業の縮小を発表。とりわけ同社は「ガスト」や「ジョナサン」などの24時間型店舗を数多く運営していることから、顧客を中心にネット上でもさまざまな意見が飛び交っています。
オトナンサー編集部では今回、外食市場の動向に詳しい、市場調査会社エヌピーディー・ジャパンの東さやかシニアアナリストにファミレス業界の今後について聞きました。
そもそも売り上げの0.8%に過ぎないが…
東さんは今回の前提として、午前2時~7時の「深夜時間帯」の客数が全時間帯のわずか1%に過ぎないことを指摘します。売り上げベースでも0.8%程度で、それも年々減少傾向にあるそう。その理由として、若者人口減少とライフスタイルの変化が挙げられるといいます。
東さんは「これまでファミレスを深夜に利用していたのは若者でした。その若者たちが外出しなくなったのです」。コンビニエンスストアにおけるイートインの増加も、ファミレスの“退潮”を後押ししているほか、不景気で企業接待が減少するなど夜に飲み歩く人も減っているようです。
こうした現状に加えて、ゴールデンウイーク(GW)などの大型連休や、ディナー時のファミリー層の取り込みに苦戦したことで、今年度の各社の来客数は対前年比1%減(全店ベース)と伸び悩んでいます。24時間営業を廃止すれば、「わずかですが売り上げも減少するでしょう」。
コメント