注意報レベルの地域も…「インフルエンザ」が5月になっても流行している理由
冬場に大流行したインフルエンザ。春から、またじわりと感染者が増え、5月に入っても注意報レベルの地域があります。

冬場に大流行したインフルエンザがいったん収まったかに見えたものの、春からまたじわりと感染者が増え、5月に入っても注意報レベルの地域があります。冬の寒い時期に流行するというイメージのあるインフルエンザが、また流行しているのはなぜでしょうか。5月のインフルエンザといえば、10年前の2009年5月、新型インフルエンザの患者が国内で初めて確認され、大きな騒ぎとなりました。4~5月にインフルエンザが流行する理由について、医師の市原由美江さんに聞きました。
シーズン後半は「B型」が流行
Q.インフルエンザの患者数の推移には、どのような傾向があるのでしょうか。
市原さん「12月ごろから患者数が増えて1~2月にピークを迎え、その後、徐々に減っていきますが夏場でもゼロではありません」
Q.4月下旬、インフルエンザの患者の報告が増えました。この時期に流行するのはなぜですか。
市原さん「インフルエンザは一般に、シーズン前半はA型が流行し、後半はB型が流行する傾向にありますが、今年はB型の流行があまりみられませんでした。そのせいで流行が4月にずれている可能性が考えられます。
また、インフルエンザワクチンは毎年10月から接種が始まりますが、この時期に接種した人は4月ごろには効果が薄れてきて、インフルエンザにかかるという可能性も考えられます。そのほか、春の寒暖差の影響で体調を崩しやすくなり、インフルエンザにかかることも考えられます」
Q.2009年5月に新型インフルエンザが国内で初めて確認され、その後、大流行しました。5月から流行したのはなぜでしょうか。
市原さん「2009年4月にメキシコで発生した新型インフルエンザが各国で流行し、5月に日本で患者が報告されました。新型インフルエンザは、流行当初は免疫を持っている人がいないため、季節に関係なく感染が拡大しやすかったと思われます」
Q.この時期のインフルエンザ対策の注意点を教えてください。
市原さん「B型は高熱が出ないことも多く、普通の風邪と間違われることがあるため感染が広がりやすい傾向にあります。時期的にもインフルエンザのピークではないため、手洗いやマスクなどの感染予防対策を怠る人も増えてくると考えられます。
また、春先は、マスクが欠かせない花粉症の人も症状が改善してくる時期なのでマスクをしなくなります。インフルエンザだけではなく風邪やほかの感染症予防にもつながるため、普段から手洗いやマスクなどを意識しましょう」
(オトナンサー編集部)
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