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「新元号」の真の意味とは? 天皇の菩提寺・御寺泉涌寺に聞いた

5月1日に「平成」からの改元が行われますが、そもそも元号には、どのような意味があるのでしょうか。

御寺泉涌寺「仏殿」
御寺泉涌寺「仏殿」

 天皇陛下の譲位で5月1日に元号が「平成」から改元されます。新元号予想サイトが立ち上がるなど過熱気味ですが、元号とは私たちにとってどのような意味があるのか。天皇の菩提(ぼだい)寺として脈々と受け継がれてきた御寺泉涌寺(みてらせんにゅうじ)に伺います。

天皇の菩提寺としての役割と改元の意味

――歴史をひもとくと生前に譲位された天皇は少なくありませんが、今回の譲位は近年、天皇が終身制となってから初めてのことです。今どのように感じていらっしゃいますか。また、現在の皇族と御寺とのご関係はどのようなものでしょうか。

御寺泉涌寺「泉涌寺の法要では、天皇陛下玉体安穏とともに御願満足をお祈りしております。陛下のお気持ちやお願いであるのですから、陛下の御心(みこころ)のままにご譲位がかなったことは喜ぶべきことだと思っております。

ご皇室では、皇霊殿にて神式で歴代皇霊をお祭りされておりますが、泉涌寺では、霊明殿にて仏式で祭っています。ご皇室の慣例と同じく、先帝四代のご回向をし、祥月命日には特別の法要を営んでいます。また、毎年正月には国家安泰、玉体安穏を祈願し、天機奉伺(てんきほうし)でおふだを両陛下はじめ各宮家に持参しており、泉涌寺長老は歌会始めや祝賀会、お茶会などにご招待いただくこともあります。

このたびも、2月24日に国立劇場で開催されました政府主催の今上陛下ご在位30年の奉祝の会に出席いたしました。また、その出席者に対し、2月26日開催の宮中でのお茶会にもご案内を頂き、500余名の方々とともに出席いたしました」

――御寺泉涌寺には昭和天皇のご位牌(いはい)が祭られていますが、今後も代々の天皇陛下のご位牌をお祭りされていくのでしょうか。また、皇族のご回向には特別な方法があるのでしょうか。

御寺泉涌寺「明治以降、皇室は神道とされましたが、泉涌寺は古式に倣って仏式で祭ることを許されております。今後も天皇皇后両陛下のお位牌(御尊牌)と御真影をお祭りしていくことになると思います。また、新元号になることでお寺の中が変わることはありません。粛々とご回向と、玉体安穏と宝祚(ほうそ)延長を祈願していくだけです。

昭和天皇ご崩御の折には、泉涌寺山内寺院住職はご崩御当日から四十九日を迎えるまでの間、霊明殿において毎日3回の回向をしておりました。今回のご譲位に際しては、譲位・即位とも奉祝だと思いますので、慶祝行事、祝賀記帳、慶祝法要などを執り行う予定です」

――今上天皇のこれまでのご活躍や、お人柄などに感じられるところはありますか。

御寺泉涌寺「今上陛下は、泉涌寺長老とお会いされますと、必ず『いつも祈ってくれてありがとう』と申されます。そのお言葉からも分かりますように、いつも国民のこと、平和と安寧をお考えで、お言葉の端々からお気持ちが伝わってまいります。戦争という大きな過失についても真摯(しんし)に向き合われ、70年以上たった現在でも、手を合わせるお気持ちを持っておられることは素晴らしいことだと思います。

日本各地で起こった災害で現地に出向かれるお姿を拝見し、泉涌寺でもそれらの殉難者の回向を執り行いました。また、いろいろなことにご興味を持たれ、泉涌寺霊明殿の荘厳についてもご質問され、長老の答えに熱心に聞き入っておられました。新元号のもと、人も社会も国家もすこやかで安寧であること、今上陛下のように心から他者を慈しみ、他者の悲しみを分かる人々が多く巣立っていくことを願います。

また、先祖を祭り、回向をすることは、自分の出自を知り感謝することです。面倒な先祖回向も祖先に感謝する気持ちで行うと、ありがたい修行になります。言葉を返さない祖先に心から尽くし、満足を得てもらうことは家庭や社会を明るくすることにも通じます」

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コメント

1件のコメント

  1. 表現方法に注意書きまであるのに、「申されます」はダメだと思います。。。