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言うことを聞かない子どもとコミュニケーションが取れる、たった一つのスキル

3月は「親子のコミュニケーションギャップ」が大きくなる時期です。解消するには、どのようにすればよいのでしょうか。

「子どもが言うことを聞かなくなった」などの相談が増える3月
「子どもが言うことを聞かなくなった」などの相談が増える3月

 筆者は「ビジネスやプライベートで相手を巻き込む」スキル演習を実施していますが、プログラムの中には、親子で一緒に取り組んでもらうものもあります。参加者からの相談で多いのが「親子のコミュニケーションが取りづらくなった」「子どもが言うことを聞かなくなった」「親子断絶の兆しがある」という類いのものですが、これらの質問は例年、3月になると一気に増えます。そうした「親子のコミュニケーションギャップ」を解消するスキルについて、ご紹介します。

気楽に構える子どもと、心配する親

 親子での参加者に聞いてみると、次のような事情があることが分かってきました。

・子どもが春休みに入ってのんびりしている一方、親は年度末で何かと忙しく、子どもに厳しくあたってしまう。
・学年の区切りで子どもは解放感に満ちているが、親は新年度のことが気になり、話がかみ合わない。
・春休みは宿題が少なく、子どもは伸び伸びしているが、それが親の懸念を高め、いつも以上に強い口調で「勉強しなさい」と言ってしまう。
・親が子どもに厳しく言えば言うほど、子どもは意欲を低下させて、逆効果になってしまう。

 どうやら、子どもの置かれた状況と親の気持ちのギャップが広がり、「気楽に構えている子どもと心配している親」との間でコミュニケーションがかみ合っていないという構造が見えてきました。こうした状況が慢性化していくと、親は「子どもは反抗期だからしょうがない」、子どもは「親には何を言ってもしょうがないので聞き流そう」という諦めの境地に至ってしまいます。

 しかし、諦める必要はありません。私は20年来、演習を実施する中で、たった一つのスキルさえ身に付ければ、親子のコミュニケーションを格段に改善できる方法を見つけました。たいていの場合、2時間あれば身に付けることができ、すぐに繰り出し、実践できるようになります。その方法とは「モチベーションファクター」を見極めるスキルです。

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山口博(やまぐち・ひろし)

モチベーションファクター代表取締役

長野県上田市出身。慶応義塾大学法学部卒業。国内外金融・IT・製造企業の人材開発・人事部長歴任後、PwC/KPMGコンサルティング各ディレクターを経て現職。モチベーションファクター(R)(意欲を高める要素)をてこにした分解スキル反復演習(R)型能力開発プログラムを開発、展開しているグローバルトレーニングトレーナー。横浜国立大学大学院非常勤講師。主な著書に「ビジネススキル急上昇日めくりドリル」(http://amzn.asia/d/cwWsVkE)、「チームを動かすファシリテーションのドリル」(単行本=http://amzn.asia/d/6ZPWVaC、新書=http://amzn.asia/d/hRTRrvn)、「99%の人が気づいていないビジネス力アップの基本100」(http://amzn.asia/d/8z6NmSl)。

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