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「ホワイトデー」はなぜ3月14日になった? ほかに候補日も? 発案した菓子店に聞く

きょう3月14日はホワイトデーですが、なぜ、ホワイトデーは3月14日なのでしょうか。発案した和洋菓子店に聞きました。

ホワイトデー用の商品「マシュチョコ ショコラ」(石村萬盛堂提供)
ホワイトデー用の商品「マシュチョコ ショコラ」(石村萬盛堂提供)

 きょう3月14日はホワイトデー。2月14日のバレンタインデーのお返しに、男性から女性へプレゼントを贈る日とされていますが、なぜ、ホワイトデーは3月14日なのでしょうか。バレンタインデーのちょうど1カ月後ではありますが、実はほかにも候補日があったようです。ホワイトデーの起源について、この日を日本記念日協会に登録した和洋菓子製造・販売の老舗「石村萬盛堂」(福岡市博多区)企画マーケティング室の増田洋さんに聞きました。

1970年代に「マシュマロデー」

Q.ホワイトデーは、石村萬盛堂会長の石村僐悟(ぜんご)さんが発案者とのことですが、詳しい経緯を教えてください。

増田さん「1977年、当時は社長でしたが、新しい菓子作りのヒントを得ようと少女雑誌をめくっていて『男性からバレンタインデーのお返しがないのは不公平。ハンカチやキャンディー、せめてマシュマロでも』という投稿を見たのがきっかけだそうです。

当社は昔から、マシュマロ生地で黄味餡(きみあん)をくるんだ菓子『鶴乃子』を製造していましたので、『男性から女性へマシュマロをお返しする日をつくれないか』と思い付き、1978年3月、『マシュマロデー』を始めました。

その7~8年後、百貨店から『マシュマロだけでなく、もっと幅広いお返しの文化にできないか』とお話があり、『マシュマロの白』にちなんで『ホワイトデー』となりました」

Q.なぜ、3月14日になったのですか。

増田さん「女性社員を集めた企画会議で、『バレンタインデー(2月14日)の日付を逆にした4月12日』『1週間後の2月21日』『1カ月後の3月14日』の3案が挙がり、地元の百貨店に相談したところ、『一番ひまんなる(暇になる)3月14日がベストやね』と言われ、決まったそうです」

Q.3月14日は暇だったのですか。

増田さん「3月中旬は、少なくとも菓子業界に関しては、ひな祭りと春休みの間で、売り上げが落ちる時期だったようです。流通関係全般もそうだったのではないでしょうか。ただ、現在は、うちはホワイトデーがあるので(笑)忙しい時期ですし、百貨店も昔とは事情が違うと思います」

Q.「ホワイトデーは1980年に始まった」と書いてある国語辞典もあります。マシュマロデーからホワイトデーに変わった時期と違うようですが…。

増田さん「起源は諸説あります。『自分のところがスタートだ』というのは自由です。ただ、当社が最初に『マシュマロデー』を始めたのは事実ですし、『ホワイトデー』を日本記念日協会に登録したのも当社です」

Q.「お返しの日」をつくったことに対して、男性から苦情が来たことはないですか。

増田さん「特に聞いたことはありません。ないと思います」

Q.近年は、虚礼廃止などを理由に職場での義理チョコを禁じる「バレンタインデー禁止令」なるものもあります。ホワイトデーに影響はないですか。

増田さん「今年のバレンタインデーが、全体としてあまり盛り上がらなかったとは聞いています。例年、『職場でチョコをもらったので3月14日にお返しする』という男性も多かったと思いますので、ホワイトデーへの影響はゼロではないと思います。ただ、ホワイトデーは単なる『お返しの日』ではないと、私たちは思っています」

Q.どういう日だとお考えなのでしょうか。

増田さん「チョコをもらったらお返しする、ということも大切ですが、『義理チョコをもらわなかったから返さない』ではなく、もらっていなくても何かを贈ることがあってもいいと思います。普段、身近な人に『感謝の気持ち』を伝える機会はなかなかないですよね。ホワイトデーが、そんな感謝の気持ちを伝える日であってほしいと願っています」

 ホワイトデーの歴史については、石村萬盛堂の特設サイト(http://www.ishimura.co.jp/whiteday/)で見ることができます。

(オトナンサー編集部)

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