トランプ氏勝利で発動、日銀「指値オペ」にはどんな意味があるのか
米大統領選でのトランプ氏勝利を受けて、日銀が初の「指値オペ」に踏み切りました。米長期金利の上昇に伴い、日本の長期金利に上昇圧力がかかっていることが背景にあるようです。この指値オペにはどのような意味があるのでしょうか。
米大統領選における共和党ドナルド・トランプ氏勝利を受け、日銀が非常手段とされる「指値(さしね)オペ」に初めて踏み切ったことが先日、大きく報じられました。
米国では大統領選後、同氏が主張する大規模な財政出動などの政策がインフレを招く、との見方から長期金利が急上昇。報道によると、日銀は米国に連動して日本の金利が上昇することを警戒し、初の指値オペに踏み切ったといいます。
日銀は長期金利を0%程度に誘導する目標を設定していますが、長期金利が16日に一時、約9カ月ぶりの高水準となる0.035%をつけるなど上昇傾向にあることが背景にあるようです。
オトナンサー編集部では今回、日銀が「指値オペ」に踏み切るまで、そして、今後考えられる展開について、マネースクウェア・ジャパンの西田明弘チーフエコノミストに取材しました。
「長期金利を安定させる」メッセージに
まずは基本的な仕組みです。
日銀は金融機関から国債を購入したり、逆に売却したりすることで市場に出回るお金の量を調節しています。これは「公開市場操作」と呼ばれ、日銀はこうすることによって、お金の量や金利を目標へと誘導します。
オペは通常、日銀が国債の「額」を指定して入札を実施し、複数金融機関が競り合った場合は、その中から価格の安い国債を買い入れます。
一方「指値オペ」は、日銀が「利回り」を指定するもので、購入額は無制限(※金額を定めて買い入れる場合もある)。国債を売りたい全金融機関から全額を買い取ります。
西田さんは、この指値オペの効果について、「長期金利を安定させる効果があります。少なくとも日銀が長期金利の安定を望んでいるという強いメッセージになるでしょう」と話します。
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