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子どもに初めて「スマホ」を買い与える際、親が心得ておくべきことは?

スマホやタブレットを子どもに買い与える際、どんな点に注意すればよいのでしょうか。専門家に聞きました。

子どもにスマホを買い与える際の注意点とは?
子どもにスマホを買い与える際の注意点とは?

 子どもの入学や進級を機に、スマホやタブレット端末を買い与えようと考えている人も多いのでは。最近は、オンライン上の学習サービスも充実しており、連絡手段にとどまらない、勉強のツールとして活用できるなど便利な半面、使い方を誤るといじめや犯罪に巻き込まれるケースもあり、注意が必要です。子どもにスマホやタブレット端末を使わせる際の注意点について、一般社団法人日本情報技術振興協会(JAPRO)認定講師の久原健司さんに聞きました。

まずは保護者が正しい知識の習得を

Q.スマホやタブレット端末を買い与えるのに適切な年齢は。

久原さん「子どもにスマホを持たせる理由として、『塾に通い始めた』など環境の変化が挙げられます。一般的に、小学4年ごろから機能制限付きのスマホを持たせる保護者が増えています。

中学1年になると、スマホ保有率は7割を超え、ガラケーを含めると8割に迫るというデータもあります。まだ早いと思っている親御さんも『部活の連絡がLINEで届く』などと子どもから言われた場合、買い与えなければならない状況になりえます。地域によって保有率は違うと思いますが、遅くとも中学1年ごろには持たせるのが適切なのかもしれません」

Q.どのような端末がお勧めでしょうか。

久原さん「キッズ携帯を持たせたるのもよいと思いますが、LINEが使えないのが欠点です。LINEを使うのであれば、一般的なスマホを購入する必要があります。その際、各キャリアの機能制限アプリを入れるなど、親の目が行き届く状況で持たせた方がよいでしょう」

Q,スマホやタブレット端末を買い与える際にすべきことは。

久原さん「買い与える前に、まずは親御さんがインターネットに関する正しい知識を身につけ、保護者としての役割を果たす準備を行う必要があります。その上で、子どもにインターネットの危険性について教え、使用上のルールなどを定めます。

内閣府が保護者向けに作成した『ネットの危険からお子様を守るために 今、保護者ができること』という普及啓発リーフレットがあります。子どもたちが安心して、安全にインターネットを利用できるよう、家庭でのルール作りの例やフィルタリングの概要、改正青少年インターネット環境整備法などについて紹介しています。ぜひ参考にしてみてください」

Q.子どもはスマホやタブレット端末を主にどのような用途で使用しているのでしょうか。

久原さん「小さいお子さんはYouTubeやゲーム用途で使用しています。その後、周りの子どもが持ち始めてからは、SNSや課金制のゲームをするといった流れになります」

Q.ゲームアプリや動画サイト、SNSなどに依存させないためには、購入後、どのような対策が必要ですか。

久原さん「子どものスマホ使用を制限するアプリも多数存在しますが、購入後、定期的に親が閲覧できるルールを子どもと決めてもよいかもしれません。『プライバシーの問題がある』という声もありますが、『契約者は親なので見る権利がある』といったことを家族内で話し合っておくだけで抑制される場合もあります」

Q.子どもがスマホやタブレット端末を使用した際に起きるトラブルの具体例は。

久原さん「一昔前は、課金で高額請求されたとニュースになったこともありますが、現在は、SNSでのトラブルが非常に多いです。文部科学省の調査では、2017年度のSNSなどによるネット上のいじめは1万2632件で、前年度から1853件増えています」

Q.SNSなどでいじめや犯罪に巻き込まれた際、親が取るべき行動は。

久原さん「事実を確認するために携帯を没収し、証拠となる情報を保管してください。次に『ネット上のいじめ』に関する対応マニュアルや事例集が文部科学省から出ていますので、まずは落ち着いてそちらを一読してください。

次に、学校へ相談して、『警察の相談窓口に一緒に相談してほしい』と伝えてください。警察の相談窓口は学校側が把握していますが、対応が遅い場合は、教育委員会に問い合わせてください。親として、この問題が自分の子どもにとって重大であることを伝えてください。

財団法人やNPOなどの団体でも、ネット上のいじめやトラブルに対する取り組みを行っています。これらの団体からも、対応のアドバイスをもらうことができますので十分に活用してください。学校裏サイトなどの危険なサイトを知った際も、慌てずに専門家に聞きながら対応しましょう」

Q.子どもがゲームアプリなどに依存してしまった際の対応は。

久原さん「ゲーム依存症を疑った場合、それが病気であるということを親が認識し、第三者によるカウンセリングや治療を受ける決意をしてください。多くの親は自分の判断で、自分だけで子どもと向き合おうとして、疲弊してしまいます。ゲーム依存症になる原因はさまざまだとしても、適切な治療をすれば回復するといわれています。他の依存症と同じように、本人だけでなく親など周りへのサポートも重要なのです」

(オトナンサー編集部)

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久原健司(くはら・けんじ)

株式会社プロイノベーション代表取締役、JAPRO認定講師

1978年生まれ。2001年東海大学工学部通信工学科卒業後、ITの人材派遣会社に入社。大手コンビニエンスストアのPOSシステム保守運用業務を担当する。2003年からソフトウェア開発会社で、システムエンジニアとして、大手通信会社のWebアプリケーションシステム開発など多くの業務に携わるも、2006年、小さい頃からの夢であった独立を決意。2007年(29歳)に株式会社プロイノベーション(http://proinnv.com/)を設立し、当時としては珍しいオブジェクト指向によるモデリング開発でのサービス提供を始める。現在は、代表取締役を務める傍らで、一般社団法人日本情報技術振興協会(JAPRO)認定講師として、IT企業中心に研修や、日本青少年育成協会の会員として青少年の健全育成に寄与する。2018年「振り向くホームページ」サービスを開始(http://furimuku.com/)。プロのフリーランスを集めて企業の成長をサポートすることで、フリーランスとしての働き方を応援する傍ら、日本一背の高いITジャーナリストとしてWebメディアでも活躍中。

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