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昨秋2作、今冬3作…いま「弁護士ドラマ」が急増しているワケ

常盤貴子さん主演「グッドワイフ」、竹内結子さん主演「スキャンダル専門弁護士QUEEN」、坂口健太郎さん主演「イノセンス 冤罪弁護士」と、弁護士ドラマの多さが目を引く今冬。その理由とは――。

常盤貴子さん(Getty Images)
常盤貴子さん(Getty Images)

 今冬の新作ドラマが次々にスタートしていますが、目を引くのは3作の弁護士ドラマ。常盤貴子さん主演の「グッドワイフ」(TBS系)、竹内結子さん主演の「スキャンダル専門弁護士QUEEN」(フジテレビ系)、坂口健太郎さん主演の「イノセンス 冤罪弁護士」(日本テレビ系)が放送されています。

 TBSの日曜劇場(午後9時~)で放送中の「グッドワイフ」は、米国の人気ドラマシリーズをリメイク。「QUEEN」はフジテレビの木曜劇場(午後10時~)、「イノセンス」は日本テレビの土曜ドラマ(同)で、ともにオリジナル。いずれも、局の看板ドラマ枠で放送されているなど、企画段階から力を入れた作品であることは間違いありません。

 1シーズン前を振り返ると、昨秋も米倉涼子さん主演の「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」(テレビ朝日系)、織田裕二さん主演の「SUITS/スーツ」(フジテレビ系)が放送されました。さらに昨年は、松本潤さん主演の「99.9-刑事専門弁護士-」(TBS系)、神木隆之介さん主演の「やけに弁の立つ弁護士が学校で吠える」(NHK)も放送されるなど、明らかに弁護士ドラマが増えています。

 なぜ、各局で弁護士ドラマが増えているのでしょうか。制作サイドの狙いや背景を読み解いていきます。

刑事は多すぎ、医師はお金がかかる

 弁護士ドラマが増えている最大の理由は、視聴率対策。弁護士ドラマは、刑事ドラマ、医師ドラマと並んで、「一話完結」「勧善懲悪」「終盤の爽快感」という、リアルタイム視聴につながりやすい3要素を兼ね備えたジャンルです。

 失敗のリスクが少なく、安定した視聴率を獲得できる上に、放送後に人気が出たらシリーズ化も可能。また、「刑事ドラマが多すぎること」「医療ドラマはお金がかかりがちなこと」も、各局が弁護士ドラマに注力している理由につながっています。

 特に刑事ドラマは、その大半で殺人事件が起きて重苦しいムードになりがちですが、弁護士ドラマはさまざまな事件を扱うことで、そこまでの暗さはありません。加えて、「刑事ドラマと同等レベルの人間ドラマを見せられる」というメリットがあります。

 ただ、「一話完結」「勧善懲悪」「終盤の爽快感」という3要素を好むのも、リアルタイム視聴をするのも、その大半は中高年層であり、必ずしも成功しているというわけではありません。「目先の視聴率を取りにいった結果、10~30代の視聴者層がテレビドラマから離れてしまった」という状況にもなりかねないだけに、弁護士ドラマがこれ以上増えるのは危険でしょう。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間20本強のコラムを提供するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもあり、新番組と連ドラはすべて視聴するなど1日のテレビ視聴は20時間超(同時含む)。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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