チョコミントに甘酒、よもぎ餅まで…キッコーマンの攻めた「豆乳」ラインナップ、背景は?
「よもぎ餅」「ラッシー」など、さまざまな味付けの豆乳飲料が話題となっています。メーカーに狙いを聞きました。
健康志向の高まりで豆乳市場が拡大する中、国内シェアトップのキッコーマン飲料(東京都港区)が販売する「豆乳飲料」がSNS上で話題となっています。豆乳に「コーヒー」「バナナ」など、さまざまな味付けをしているのが特徴で、現在、味付けは30種類以上に及びます。今年8月に新発売した「よもぎ餅」には、「草が香ばしい」「チャレンジャー」「再現力が高い」「あんこが控えめ」などの意見が寄せられています。
「苦手意識」がある層をターゲットに
キッコーマン飲料の豆乳飲料は「麦芽コーヒー」「バナナ」「ココア」「抹茶」などの定番のほか、「爽香杏仁」「チョコミント」「甘酒」「豆乳ラッシー」といった変わった味も販売されており、新商品を発売するたびにSNS上で話題になっています。
チルド営業本部営業企画部で企画グループ長を務める荻生康成さんに聞きました。
Q.豆乳飲料を発売したのはいつですか。現在、何種類を販売していますか。
荻生さん「1981年に『麦芽コーヒー』を発売し、その後、100種類以上の商品を販売しました。2018年11月末現在、32種類を販売しています」
Q.なぜ、これほど多くの種類の豆乳飲料を開発・販売しているのですか。
荻生さん「豆乳を飲んだことがない人にも興味を持っていただき、ぜひ飲んでいただきたいと考えたからです」
Q.1年に開発する商品の数は。
荻生さん「3~4種類です。企画段階では30種類ほどの案が出ます。世の中の食品、飲料、嗜好(しこう)などの変化を捉えた上で企画・開発しています」
Q.新商品を発売してから販売を終了するまでの期間は。
荻生さん「『麦芽コーヒー』『バナナ』など、30年以上のロングセラー商品がある一方で、発売1年未満で販売を終了する商品もあります。通年商品のほかに、『焼きいも』など季節限定で販売する商品もあります」
Q.人気の味は。また、過去にはどのような味がありましたか。
荻生さん「『麦芽コーヒー』『紅茶』『バナナ』などが人気です。過去には『無炭酸シリーズ』として『健康コーラ』『健康ラムネ』などの商品も販売していました」
Q.プレーンの豆乳と比較した場合、栄養的な面で違いは。
荻生さん「JAS規格で、原料が大豆のみの『無調整豆乳』は大豆固形分(大豆成分)を8%以上含み、『調製豆乳』は6%以上、『豆乳飲料』は果汁系の味が2%以上、それ以外の味は4%以上と定義されています。タンパク質など大豆の栄養成分は少なくなりますが、バナナなどの味付けをしているため、豆乳に苦手意識がある人でも手軽に大豆の栄養を取ることができます。食物繊維やビタミンEなどを配合して付加価値をつけた豆乳飲料もあります」
Q.夏には凍らせて食べられることが話題となりました。冬は温めて飲むこともできますか。
荻生さん「これからの寒い季節は、温めると一層おいしくお飲みいただけると思います。なお、温める際は耐熱容器など別容器に移してください」
Q.多彩な商品に対して、消費者からはどのような意見が寄せられていますか。
荻生さん「『もはや豆乳ではない』『次の新味の発売を楽しみにしています』『○○味を開発してください』『パッケージがかわいい』といったご意見を頂いています。SNSでの投稿が多く、キッコーマングループの中でも豆乳に関する投稿数は突出しています」
Q.今後、発売を予定している味は。
荻生さん「秘密ですが、今後もお客さまにワクワクしていただけるよう、あっと驚くユニークな味はもちろん、幅広い商品ラインナップで皆さまの健康的な食生活を応援していきたいと考えています」
ちなみに、日本豆乳協会(東京都千代田区)によると、2017年の豆乳類の国内生産量は前年比8.1%増の33万9281キロリットルで、7年連続で過去最高を更新。2007年と比較すると倍増しているそうです。
(オトナンサー編集部)
コメント