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張本勲さん“中大内紛”発言から学ぶ「失言を防ぐ人間関係」

野球評論家の張本勲さんが、中央大学陸上競技部と箱根駅伝を巡って問題発言をした件が話題になりました。これまでにも、さまざまな発言が炎上を招いてきた張本さんですが、今回はそこから何を学べるのか、考えます。

張本勲さんの“失言”から何を学ぶべきなのか…

 野球評論家の張本勲さんがTBS系報道番組に出演し、中央大学陸上競技部と箱根駅伝を巡って問題発言をした一件が、ネット上を中心に大きな話題となりました。

 張本さんは、同駅伝本戦出場を逃した中大陸上部について「内紛があるそうだから」と発言、同大の反発を招いて番組は謝罪しましたが、張本さん本人はその後も、この問題に言及していないとされます。

 張本さんといえばこれまでも、さまざまな発言が炎上を引き起こしてきた“常習犯”。オトナンサー編集部では今回、張本さんはなぜ“失言”を繰り返してしまうのか、また、私たちがそこから何を学べるかについて、話し方研究所の福田健会長に聞きました。

張本さんは実績に基づく「自信過剰型」

 まず福田さんによると、失言には5つのタイプがあるそうです。

1.瞬間湯沸かし器型

 カッとなって思わず言ってしまう

2.八方美人型

 普段はおとなしいが、秘めていた言いたかったことを酒席などで言ってしまう。日ごろ言いたいことを抑えている分、内容がキツくなることが多い

3.饒舌型

 普段からおしゃべりで、しゃべりすぎてしまう。中央の政治家が地元に帰った時などに、ついついしゃべりすぎてしまうケースなど

4.うっかり型

「これくらいなら言って大丈夫だろう」と思ったら失言になってしまった

5.自信過剰型

 自分の過去の実績に基づいて相手に与える迷惑を考えずに発言する

 張本さんは、現役時代の自分の経験だけに基づき「俺は言いたいことを言う」スタンスで、「喝」で締める芸風であるため、「自信過剰型」。今回の発言は根拠のないうわさを元に発言しており、相手に与える迷惑を考えていないといいます。

 福田さんは「もう少し相手側に目を配るべきでしょう。昔の張本さんは確かにすごかったですが、若い人たちの活躍を認めず『俺に比べてお前たちは…』というスタンスでは、結果的にマイナス評価になってしまいます」と苦言を呈します。

 張本さんのように、あえて言いたいことを言う人は「みんなが言いたいことを代弁してやった」とある種の爽快感を得られますが、信頼関係がきちんと築けていない相手には、「そんなこと言われても」と思われてしまうそうです。

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福田健(ふくだ・たけし)

(株)話し方研究所会長

コミュニケーションを「相手を認識し、理解し尊重するプロセス」とし、話し方や聞き方の研究・指導を精力的に行っている。各企業・官公庁での講演や著作活動にも力を入れており、近著に「怒る技術・怒られる技術」(日本経済新聞社)、「『謝り方』の技術」(三笠書房)、「人は『話し方』で9割変わる」「女性は『話し方』で9割変わる」(経済界)、「『できる人』の相談する技術」(角川書店)がある。

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