家電量販店、雑貨店、博物館…“撮影禁止”から一転、撮影OKの施設が増加している理由
博物館や美術館も撮影可能に

博物館や美術館の中にも、来館者の撮影を許可する施設が増えています。
東京国立博物館(東京都台東区)は、「総合文化展」という、同館の所蔵作品を中心に展示するスペースで撮影を許可しています。総合文化展は、本館、東洋館、法隆寺宝物館、平成館の1階にあります。なお、個人利用に限って写真撮影可能で、撮影した画像を営利目的で複製・配布することは禁止です。フラッシュや三脚も使用できません。
学芸企画部広報室の担当者に聞きました。
Q.いつ頃から施設内の撮影を許可しているのですか。
担当者「もともと当館では、館の所蔵品の撮影は禁止していませんでした。2004年に本館ならびにウェブサイトをリニューアルした際、ルールを再検討・確認し、総合文化展の展示室内で、個人利用に限り写真撮影ができる旨を明示しました」
Q.なぜ撮影を許可しているのですか。
担当者「撮影可能なことを明確にしたのは、顧客サービスおよび広い意味での広報の一環と考えたためです。寄託品が多い美術館や博物館は撮影禁止のところが多いようですが、当館では寄託品の所蔵者に撮影可否の確認を取っています」
Q.なぜ、フラッシュや三脚など撮影道具の使用を禁止しているのですか。
担当者「作品に集中して鑑賞したい、というお客さまもいらっしゃいます。少しでも鑑賞環境を快適に保つため、フラッシュや三脚などの撮影道具については使用を禁止しています。撮影道具を禁止しているのは、他のお客さまへの接触事故を防いだり、文化財、展示ケースを保全したりするためでもあります」
Q.撮影可能ということに対する反応は。
担当者「スマートフォンで気軽に撮影できるため、老若男女問わずいろいろな作品を撮影されています。海外からの来館者も、仏像や刀剣などを撮影しておられます。また、作品だけではなく、建築物や庭園をバックに、記念撮影している人も多いです」
国立西洋美術館(台東区)でも、同館の所蔵作品に限り、撮影を許可しています。担当者は「1998年ごろから来館者サービスの一環として始めました。寄託作品など一部を除き、常設展示室内での撮影が可能です。お客さまからは『撮影できると思わなかったので、撮影できてうれしい』などの声を頂くことが多いです」と話しています。
SNSの普及もあり、好きな商品や美術作品を他の人と気軽に共有できるようになったのは、うれしいことです。ただし、商品選びや鑑賞に集中したい人もいるので、最低限のマナーを守りながら撮影を楽しみたいものです。
(オトナンサー編集部)
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