“何となく”調整していませんか? コンロの「強火」「中火」「弱火」には決まりがある!
ガスコンロの火加減を、つまみの位置で「何となく」調整している人も多いのではないでしょうか。正しい火加減について専門家に聞きました。
料理のレシピでよく見かける、「強火で3分炒める」「中火から弱火にする」「弱火でコトコト煮る」などの「火加減」。しかし、「強火」「中火」「弱火」の違いが分からず、ガスコンロのつまみの位置で「何となく」調整している人も多いのではないでしょうか。
しかし、ネット上では、火加減はつまみの位置で決めるものではなく、「炎の大きさと鍋底との関係」が基準になるとの情報もあります。正しい火加減を設定する方法について、東京ガス「食」情報センター副所長の杉山智美さんに聞きました。
炎が鍋底全体に当たるのが「強火」
Q.火加減は、つまみの位置ではなく、「炎の大きさと鍋底との関係」が判断基準になるというのは本当ですか。
杉山さん「本当です。つまみの位置は『ガスの出る量』を調整するものなので、つまみだけに注目しても適切な火加減ができるわけではありません。火加減は鍋底の大きさを見ながら、鍋底と火の大きさを調節して行うのが適切です」
Q.「強火」「中火」「弱火」はそれぞれどのような状態ですか。
杉山さん「強火は、炎が鍋底全体に勢いよく当たる状態です。中火は、炎が鍋底に当たるか当たらないかくらいの状態です。弱火は、炎が鍋底に当たらないくらい小さい状態です」
Q.鍋の大きさも火加減の判断基準に影響するのでしょうか。
杉山さん「影響します。調理する際には、鍋の底から炎がはみ出さないようにすることが大切です。炎が鍋底からはみ出すと、鍋に伝わらない熱の量が増えてもったいないからです。そのため同じ強火でも、大きなフライパンと小さな鍋とでは、炎の大きさを変える必要があります」
Q.「強火」「中火」「弱火」の火加減を正しく使いながら、料理をおいしく作るコツを教えてください。
杉山さん「炎の大きさと鍋底の関係が重要なのはもちろんですが、鍋やフライパンの中にある具材の状態をしっかり見ながら火加減を調整してください。おいしく調理するには、視覚(火の通り方を目で見る)、聴覚(『ジュー』という音などで確かめる)、嗅覚(焼けてきた匂いなどで確認する)など五感をフルに働かせることが一番のポイントです。鍋底だけでなく、全体を見ながら料理を楽しんでください」
きちんとした火加減を覚えれば、「中火の火加減が分からず熱が通り過ぎてしまった」という失敗もなくなり、省エネにもつながります。正しい火加減で日々の料理をよりおいしく作りましょう。
(オトナンサー編集部)
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