解禁検討される乳児用「液体ミルク」、そのメリットを署名運動のリーダーに聞く
今年4月の熊本地震を機に注目が高まった乳児用液体ミルク。現在、日本で製造・販売が認められていないこの液体ミルクのメリットについて、解禁を目指す運動の最前線に立つ末永恵理さんに聞きました。
2011年3月の東日本大震災で被災地に送られ、2016年4月の熊本地震を機に一気に注目が高まった乳児用の「液体ミルク」――。
日本ではこれまで、製造・販売が認められていませんでしたが、ここに来て政府が解禁を検討し始めています。
オトナンサー編集部では、2014年から乳児用液体ミルク解禁を目指した署名活動を展開する、一般社団法人「乳児用液体ミルク研究会」代表理事の末永恵理さんにインタビュー、液体ミルクのメリットなどについて聞きました。
水もお湯も不要で災害に役立つ
Q.粉ミルクと比較した液体ミルクのメリット/デメリットは何ですか。
A.液体ミルクは水もお湯もいらず、開けてすぐに使えるため、調乳に慣れない人も簡単に赤ちゃんにあげることができるほか、熊本地震などの事例からもわかるように、災害時の活用も期待されます。デメリットとしては、粉ミルクよりも値段が高いことです。欧米で粉ミルクは200ミリリットルあたり100円程度なのに対して、液体ミルクは200~300円程度で、2~3倍の値段がかかります。ティーバッグの紅茶と、ペットボトルの紅茶の価格差のようなイメージです。
Q.個人で輸入することは難しいのでしょうか。
A.海外の通販サイトなどから直接購入しようとすると食品などは制限がかかるようです。あとは海外の業者と個人売買をするしかありませんが、「Amazon」に登録している海外の個人業者から購入する場合、輸送コストなどの問題で200ミリリットルあたり1000円程度かかってしまうのが現状です。
Q.赤ちゃんにとっては粉ミルクも液体ミルクも同じなのでしょうか。
A.粉ミルクも液体ミルクも成分は同じです。ただ、赤ちゃんはこれまで自分が飲んでいたものをおいしいと感じる習性があるため、粉ミルクとは少し味が異なる液体ミルクは赤ちゃんによっては、最初は飲んでくれない場合があるかもしれません。
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