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プライド高い母の“謙遜”で傷ついた過去を漫画に 子どもは所有物じゃない…共感の声続々

子どもが他人に褒められた時の対応について描いた漫画が話題に。ある日、子どもの足が速いと褒められている親子に遭遇した女性でしたが…。

子どもが褒められた時の対応を描いた漫画のカット=maruko(maruyama_maruko_nikki)さん提供
子どもが褒められた時の対応を描いた漫画のカット=maruko(maruyama_maruko_nikki)さん提供

 子どもが他人に褒められた時の対応について描いた漫画がSNS上で話題となっています。ある日、子どもの足が速いと褒められている親子に遭遇した女性。親が「よくけがをするし、じっとできない」と謙遜する横で、子どもが落ち込んでいる様子を目撃し…という内容で、「うなずきながら読んだ」「よく親にされた」「子どもは傷ついている」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。

「傷として扱ってもいいんだ」

 この漫画を描いたのは、maruko(ペンネーム)さん(30)です。フリーのデザイナーとして活動する傍ら、漫画を描いています。自身のブログ「パンがなければつくればいい」でも母親の「謙遜」に対する思いをつづっています。

Q.漫画を描き始めたのは、いつ頃からですか。

marukoさん「今年8月からです。高校の3年間、女子は学年で私一人しかいませんでした。ふとした瞬間、当時を思い出し、とても悲しくなったり孤独な気持ちになったりすることがありました。そのことを人に話すと面白がってくれる方が多かったので、『いっそ笑い話にして昇華すればいい』と思い、高校時代の思い出を描いた『学年で女一人でした』を描き始めました。

また、育児漫画も描いています。夫は仕事で帰宅時間が遅く長期出張もあるので、夫婦でゆっくり話せる時間がありません。育児中に感じたことや不安に思うことを共有できる人がいなかったため、漫画を発表することで気持ちを晴らしています」

Q.今回の漫画を描いたきっかけは。

marukoさん「漫画家・田房永子さんのツイッターの投稿を拝見したことがきっかけです。街でお子さんを厳しく叱責しているお母さんを見かけると、自分の子どもの頃と重ねて、モヤモヤすることがありました。『私がいけない子だからしかられた』と思っていましたが、田房さんの投稿を拝見して『親に傷つけられたことを傷として扱ってもいいんだ』と励まされ、過去の自分の気持ちを擁護するために描きました。

なお、現在も私は母親と仲が悪く、積年の恨みのような気持ちも込めています」

Q.お母様はどんな方ですか。

marukoさん「悪口になって申し訳ないのですが、一言で言うと、『モラハラ毒親』です。自立して家庭を築いた今も『親の言うことを聞かない子』だと評し、私を自分の所有物のように扱います。そのため、母からの連絡は一切無視しています。

母は公務員で夫婦共働きだったため、祖母が家事と育児を担当していました。母は、家を不在にすることが多かったのですが、私をしかる時はたたくことが多かったです。大声で怒鳴り、私の人格を否定するようなことを言っていました。しかし、職場では人当たりがよく、『本当に素晴らしい人』と評価されていました。そのため『いい母』にしかられる私が間違っているのだと母の前では萎縮していました。

また、大学受験時に浪人した際、『金食い虫』『あんたの顔見るとムカつくからこっちに来るな』などと言われましたが、公立大学に合格すると、手のひらを返したように褒めるようになりました。機嫌のいい時とスイッチが入った時のギャップに、『私が悪い子だから』と悩んでいました。しかし、大学進学で家を離れた時、そうではないことに気づきました。自分は娘にとって安心感を抱ける母になりたいです」

Q.子どもの頃、お母様が謙遜する姿を見てどのように感じていましたか。

marukoさん「当時は親が絶対的な存在でした。謙遜する母を見て『私はダメな子だな』と思っていて、それ以上考えることはありませんでした。『謙遜』について話したことはありません。過去に、私が傷ついたと話したことがありましたが、全く記憶になかったようなので諦めました」

Q.子育て中とのことですが、親の立場として「謙遜」にどう向き合っておられますか。

marukoさん「2歳の娘の育児中ですが、娘は私の所有物ではありません。彼女自身として褒められているので『ありがとうございます』『褒めてもらったね、うれしいね』と声をかけるよう心がけています。

『謙遜』については、自分自身を下にすることが、私にとっての正解だと思っています。娘を褒められたら、『私の子とは思えないほど出来がいいんです』、夫を褒められたら、『人生の運を全部使って結婚しました』。褒められていることは否定せず、謙遜する対象を私の話にすり替えるようにしています。

子どもは何を言われたかを雰囲気で察しています。謙遜して、人前でお子さんをおとしめてしまうようなことがあれば、きちんと『あんなこと言ったけど本当は思っていないよ。あなたの味方だよ』と伝えることが大切だと思います。親子だから言わなくても分かるというのは甘えです」

Q.漫画について、どのような意見が寄せられていますか。

marukoさん「夫や友人からは『自分も同じような経験があるので、気持ちがよく分かる』などの意見が寄せられました。ツイッター上では『子どもを褒められたら、つい謙遜してしまう。気をつけよう』『思い上がらず、しかし子どもをおとしめないよう言葉を選ぶ』という声もありました」

Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。

marukoさん「今回の漫画に対する反響が大きかったので、母と私の親子関係の疑問などをテーマに取り上げようと考えています」

(オトナンサー編集部)

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