【医学部不正入試】昭和大が公表した「卒業生の親族」優遇、私立大は医学部以外も一般的?
「建学の精神」理解を目的とする大学も
実際に、卒業生の子や孫を優遇する制度があると言われている摂南大学(大阪府寝屋川市)入試部の担当者に話を聞きました。摂南大は1975年開学、理工学部や法学部など7学部があります。医学部はありません。
Q.2001年ごろの入試で、卒業生の子どもや孫の入試得点に一定の係数をかけて上乗せしていたという情報がありました。事実でしょうか。
担当者「はい、事実です。公募制推薦について、2001年度入試から実施していました」
Q.一般入試では。
担当者「一切ありません」
Q.なぜ加点していたのですか。また、そのことは募集要項には記載していましたか。
担当者「本学の建学の精神を理解し、学修・課外活動に主体的に取り組み、卒業後は母校愛を持った学生をより多く輩出することが本学の教育を高めていくために必要不可欠であり、本学の強みとなる、との考えが基本にあります。
このことを、より早く実現するためには、建学の精神に理解を示す本学園卒業生の子女や孫、兄弟姉妹を受け入れることが有効な手段であるとの考えによるものです。学生募集要項に記載しています」
Q.文科省からの指導などはありませんでしたか。
担当者「特に、ご指導などはありません」
Q.現在も続いているのでしょうか。
担当者「2018年度入試(2017年度実施)を最後に、制度を廃止しました。2019年度入試(2018年度実施)では、この制度はありません」
Q.なぜ廃止したのですか。
担当者「本学の建学の精神や学風が受験生やその保護者へ浸透し、ここ10年間、順調に志願者数が伸びています。このことから、本件制度の役割は終えたと判断したことによるものです」
卒業生の親族優遇は「大学全入時代」の中、私立大学が志願者や入学者を確保するためという側面もあるようです。「建学精神の浸透」という理由も含め、「私学だから許される」と見るのか、「やっぱり不公平だ」と見るのか判断は分かれそうです。
(報道チーム)
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