イライラするときにカラオケ、浴室で“叫ぶ”…実はメンタルに悪影響!? 心理カウンセラーが説く効果的な「ストレス解消法」
イライラしているときに「叫ぶ」のは正しいストレスの発散方法なのでしょうか。心理カウンセラーに聞きました。

イライラしたときや嫌な出来事があったとき、大声を出してストレスを発散したくなったことはありませんか。そんなときにカラオケに行って大声で歌ったり、シャワーを浴びながら叫んだりする人がいるようですが、このような方法でストレスを解消できるのでしょうか。イライラしているときに叫ぶメリット、デメリットのほか、ストレスを上手に解消する方法などについて、心理カウンセラーの平井綾乃さんに聞きました。
ストレスの根本的な解決にならない
Q.怒りを感じる出来事があったときにカラオケに行って大きな声で歌ったり、シャワーを浴びながら叫んだりする人がいますが、このような方法でストレスを解消できるのでしょうか。ストレスを感じたときに大声を出すメリット、デメリットも含めて、教えてください。
平井さん「叫ぶと心の浄化作用と呼ばれる『カタルシス効果』が起きるので、一時的なストレス解消に役立ちます。これはメリットと言えるでしょう。カラオケに行って大声を出して歌ったり、シャワーを浴びながら大声を出したりする人は、この効果を狙っているのかもしれませんね。しかし、これだけではストレスの根本的な解決にはなりません。
また、大声は一般的に攻撃的で恐怖に感じることもあるので、周囲への影響を考えなくてはいけません。特に男性の大声は恐怖の対象になるケースが多いため、気を付けたいですね。叫ぶことはストレスへの一時的な対処方法に過ぎず、叫ぶことができる場所を考えなくてはいけません。効率良くストレスを打ち消すには、周囲の迷惑にならない場所で大声を出してリフレッシュし、落ち着いた後はストレスと向き合って根本的な問題を解決する必要がありますね」
Q.では、イライラしたときに大声を出すのを習慣付けても問題はないのでしょうか。心理的な影響も含めて教えてください。
平井さん「大声を出すことを『一時的な発散』として利用すること自体に問題はありません。ただし他人に迷惑や心配をかけない方法にしましょう。近年は叫ぶストレス発散が注目されているのか、口を当てて叫ぶことでストレスを発散するつぼ型のアイテムも登場しており、カラオケ以外でも大声を出せるようになりましたね。
また、こういったストレス発散には、ポジティブな意味付けをしていくことも大切です。例えば、嫌なことを忘れるための大声ではなく、カラオケで好きな歌を上達させるために歌ったり、格闘技などのスポーツ観戦に行って大声で応援したりといった方針が望ましいですね。間違っても、イライラを『誰かに八つ当たり』することは対人関係を破綻させるので、絶対に避けてください」
Q.怒りを感じる出来事に遭遇し、イライラしたときはどのように対処すればよいのでしょうか。叫ぶ以外に有効な対処法はありますか。
平井さん「まずは物理的に一旦その場を離れて、クールダウンするのが良いと思います。頭でぐるぐる考えている状態であれば、別のことに無理やりにでも思考を切り替えましょう。席から一度離れてみたり、近くのコンビニまで散歩してみたり、何か別のことを始めるのも良いでしょう。
イライラというのは案外、一時的なものも多く、後から振り返るとそんなに大したことはなかったということもあります。もちろん、誰かに話して整理するというのも有効です。ただし、イライラの根本的な解決にはならないかもしれないので、気持ちが落ち着いた後はストレスと向き合う時間を設けましょう。ストレス発散方法を試してもイライラが持続するようであれば、カウンセリングや専門機関の利用をお勧めします」
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カラオケで大声を出しながら歌ったり、シャワーを浴びながら叫んだりするのは、ストレスの一時的な解消に役立つということです。しかし、ストレスの根本的な解決にはならないため、落ち着いた後はストレスと向き合っていく必要があると言えます。イライラしたときは、一度その場所から離れて冷静になることも重要です。誰かに話すのも効果的ですが、もしイライラが持続するようであれば専門家に頼ることも視野に入れてくださいね。
(オトナンサー編集部)











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