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年収480万円の夫と離婚した34歳主婦、養育費は「定額」「変額」のどちらにすべきか(下)

大切なのは、何を優先するか

 このように大学費用は定額の場合は先払い、変額の場合は後払いです。法律上、養育費は事情変更による見直しが可能です(民法880条)。具体的には、再婚や養子縁組、転職や失業、病気やけが、親の介護などですが、子どもの年齢が低ければ低いほど、養育費の支払期間は長く、事情変更の発生率は高まります。

 定額にせよ変額にせよ、事情変更の影響(減額、停止)を受けることに変わりはありませんが、前払いより後払いの方が影響が大きいのです。変額のデメリットは、事情変更の影響を受けやすいことです。

 理想を言えば、先々のあらゆる事情をキャッシュフロー表に反映させることができれば、デメリットを最小限にとどめ、変額を選びやすくなるでしょう。しかし、上記の事情はあくまで一例で他にも無数にあります。離婚時点では予見できる事情(例えば、離婚時に受験生で志望校を絞り込んでいる)ならともかく、予見できない事情まですべて網羅するのは無理があります。もちろん、養育費の減額や停止に相当する事情変更が起こらなければ、その限りではありません。

 このように、変額には変額の、定額には定額のメリットとデメリットがあり、どちらが正しいと一概には言うことは難しいのですが、大切なのは何を優先するかです。

 例えば、新居の家財購入など何かと入り用だから、離婚1年目の養育費を増やしたいというのなら定額、夫は仕事が続かないタイプで、養育費はどうせ途中で止まるだろうと高をくくっているのなら定額、有利な条件より早期の離婚を優先すべく、早く話をまとめて離婚したいのなら変額、夫の職業が公務員で定期昇給が見込めるのなら変額というように、自分の状況に応じて使い分けてください。

(露木行政書士事務所代表 露木幸彦)

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露木幸彦(つゆき・ゆきひこ)

露木行政書士事務所代表

1980年12月24日生まれ。いわゆる松坂世代。国学院大学法学部卒。行政書士・ファイナンシャルプランナー(FP)。金融機関の融資担当時代は住宅ローンのトップセールス。男の離婚に特化し行政書士事務所を開業。開業から6年間で有料相談件数7000件、公式サイト「離婚サポートnet」の会員数は6300人を突破し、業界最大規模に成長させる。他で断られた「相談難民」を積極的に引き受けている。自己破産した相手から慰謝料を回収する、行方不明になった相手に手切れ金を支払わせるなど、数々の難題に取り組み、「不可能を可能」にしてきた。朝日新聞、日本経済新聞、ダイヤモンドオンライン、プレジデントオンラインで連載を担当。星海社の新人賞(特別賞)を受賞するなど執筆力も高く評価されている。また「情報格差の解消」に熱心で、積極的にメディアに登場。心理学、交渉術、法律に関する著書を数多く出版し「男のための最強離婚術」(7刷)「男の離婚」(4刷、いずれもメタモル出版)「婚活貧乏」(中央公論新社、1万2000部)「みんなの不倫」(宝島社、1万部)など根強い人気がある。仕事では全国を飛び回るなど多忙を極めるが、私生活では30年以上にわたり「田舎暮らし」(神奈川県大磯町)を自ら実践し「ロハス」「地産地消」「食育」の普及に努めている。公式ブログ(https://ameblo.jp/yukihiko55/)。

注)離婚手続きに関して、個別事情を踏まえた離婚手続きや離婚条件に関する法的観点からの助言が必要な場合は弁護士に依頼してください。

各都道府県の弁護士会
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