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台風21号の暴風で…宅配ピザのドライバー転倒 SNS上では批判する声も、各社のルールは?

台風21号が上陸した日、暴風に襲われる宅配ピザのドライバーの姿がSNS上で話題になりました。宅配ピザ大手3社は、どのように対応していたのでしょうか。

台風の暴風でバイクもろとも倒れる宅配ピザのドライバー=1000mg(@1000mg)さん提供
台風の暴風でバイクもろとも倒れる宅配ピザのドライバー=1000mg(@1000mg)さん提供

 最大瞬間風速58.1メートルを記録した台風21号が関西地方に上陸した9月4日午後、宅配ピザのドライバーが暴風にあおられ、倒れる姿の映像がツイッター上に投稿されました。映像はたちまち拡散され、SNS上では「こんな日ぐらい休んで!」「台風の中、配達しなくていい。死亡事故起きたらどうするの」「宅配頼む方も悪いし、宅配させる会社もおかしい」などの声が上がりました。

 一歩間違えれば、大事故にもつながりかねない状況ですが、宅配ピザの運営会社は今回の台風時、どのように対応したのでしょうか。大手3社に聞きました。

2社は「配達を休止」

 投稿映像は少なくとも2種類あり、一つは、道路の真ん中で立ち往生するバイクとドライバーの姿です。暴風で倒れそうになるバイクを必死で支えるドライバーですが、ついに倒れ込んでしまいます。もう一つは、バイクが風で飛ばされ、ドライバーも立っていられずに倒れる姿が映っています。

 ともに大阪市内で撮影されたもののようで、はっきりとは確認できませんが、荷台には白地に青色と赤色の模様が見えます。

 まず、日本ピザハット(横浜市西区)の広報担当者に聞きました。

Q.台風上陸が予想される日や、上陸した際の営業について、判断は誰が行うのですか。

担当者「基本的には営業部長です。本部からは安全確保を最優先するよう指導しており、暴風や大雨などの警報や避難勧告が出ている地域では、配達を休止します。警報までいかない場合は、各地域の責任者と各店長が営業するかどうかの判断をします」

Q.9月4日、関西地方の店は営業していましたか。

担当者「地域と時間帯によっても違いますが、ほとんどの店で配達は休止していました。避難勧告が出ていた地域もあり、停電や従業員の通勤の関係で、完全に休んだ店もあったようです」

Q.SNSでは「台風の日はピザ宅配の注文が多くなる」という投稿もありました。

担当者「台風に限らず、雨が降ると注文は増えます。ただし、安全が確保できない場合、配達は見合わせます。事前に予約を受けていた場合でも、丁重にお断りすることになります」

Q.ツイッターに投稿された動画のドライバーは。

担当者「当社のドライバーではありません」

 次に「ピザーラ」を展開する、フォーシーズ(東京都港区)の広報担当者に聞きました。

Q.台風時の営業の判断は。

担当者「本部からは安全を最優先して判断するよう指導しています。判断の基準となる対応マニュアルを作成して各店に配備しており、それに基づき各店長が最終的な判断をします。マニュアルは、事前の準備、営業規制の判断基準、実際の対応のフローなどをまとめたものです」

Q.9月4日の営業状況は。

担当者「台風が通過する際には、大阪府内すべての店で配達を停止していました。台風通過後、安全が確認できた店については、状況を見ながら再開しました。店舗スタッフの安全を最優先しての判断です。なお、テイクアウトについては対応していた店もあります」

Q.ツイッターに投稿されたドライバーは。

担当者「ユニホームとバイクを見る限り、ピザーラの配達スタッフではありません」

 一方、ドミノ・ピザジャパン(東京都千代田区)にも取材を申し込みましたが、広報担当者は「台風など悪天候の際は安全基準にのっとり、営業の判断をしています。具体的な基準については社外秘です」と説明。投稿された映像については「当社のドライバーかどうか確認しているところです」と回答を留保しました。また、台風通過時の関西地区の営業など、他2社と同じ質問を再度しましたが、指定日時までに回答はありませんでした。

 台風21号では、大阪市内で駐車中の自動車が多数横転したり、屋根や外壁が飛ばされたりする被害がありました。商業施設や企業も相次ぎ営業を見合わせる中、暴風の中でピザの配達を強行させる必要があったのか、企業としての判断が問われそうです。

(報道チーム)

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