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「生理痛」のつらさを理解してもらえなかった体験漫画が話題に、生理痛の原因や対処法は?

「生理痛」に悩まされる日常を描いた漫画が話題です。重い生理痛の原因や対処法について医師に聞きました。

漫画「生理は病気じゃない」のカット=渋谷さえら(@voxxx)さん提供
漫画「生理は病気じゃない」のカット=渋谷さえら(@voxxx)さん提供

「生理は病気じゃない」。小学生の頃、担任の先生にこう告げられ、体育の欠席が許可されなかった女性の体験漫画がSNS上で話題となっています。

 社会人になってからも重い「生理痛」のつらさを周囲に理解してもらえない状況に苦しんでいる女性は多く、「とてもよく分かります」「同性からも理解されないことが多くてつらい」「立っていられないほど痛いのにズル休みだと思われる」など、共感の声が多数寄せられています。

 オトナンサー編集部では、重い生理痛の原因や適切な対処法について、産婦人科医の尾西芳子さんに聞きました。

病気が潜んでいることも

Q.まず、「生理は病気じゃない」という教師の発言についてどのように思われますか。

尾西さん「確かに、生理自体は病気ではありません。しかし、ひどい生理痛やPMS(月経前症候群)によって通学や通勤といった日常生活が困難になることがあり、その場合は治療の対象になります。

生理というだけでは授業を休む理由にはなりませんが、生理痛がひどくて動けない場合や、『過多月経』(月経血の量が多いこと)のため運動すると血液が漏れてしまう場合など、休まざるをえない人もいると思います。まずは、休まなくて済むように治療することが先決です」

Q.生理痛が起こるメカニズムや、個人差がある理由について教えてください。

尾西さん「生理痛には、原因となる病気が潜んでいる場合と、病気ではないものの痛みがある場合があります。

まず、病気ではない場合としては、子宮内膜で作られる痛みの物質(プロスタグランジン)により子宮が収縮し、下腹痛が起こります。この物質は、生理痛だけでなく、頭痛や腰痛、吐き気や下痢など、さまざまな症状を起こすことがあり、生理に伴うこれらの症状を『月経困難症』と呼びます。

また、初経から間もない10代の場合は、まだ子宮の出口が硬く月経血が出にくいため、子宮が過度に収縮し、生理痛がひどくなることがあります。

病気が潜んでいる場合としては、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症の症状として強い痛みが出ることが考えられます。これまで、子宮内膜症は性成熟期の20~40代の女性がかかる病気だという見方が大半でしたが、最近は10代でも子宮内膜症が潜んでいるケースがあると言われています。

痛みが重度の場合や徐々に生理痛がきつくなっている場合は、一度病院を受診してください。子宮内膜症を放置すると、将来不妊の原因になりうるため、早期に治療を開始することが大切です」

Q.生理痛が重いかどうかの目安や、問題のある重さであるかどうかの判断基準はありますか。

尾西さん「生理痛は、人と比べることがなかなかできないので難しいと思いますが、『生理中でも通常の生活が送れるかどうか』が一つの基準になります。学校や仕事を休まざるをえないほどの痛みがある場合は、治療が必要です。

また、『痛み止めを1日3回以上飲む』『痛み止めを飲んでも痛みが治まらない』場合は生理痛が重いと考えましょう」

Q.重い生理痛がある場合、どのように対処したらよいのでしょうか。

尾西さん「『生理痛はあって当然』『人に言っても分かってもらえない』という方が多いのですが、治療をすれば痛みは軽減して、通常の生活が送れるようになります。

まずは、痛み止めをきちんと飲みましょう。痛み止めは、痛みの物質の生成を抑える薬です。そのため、『痛いかな』と感じるくらいの段階で飲むことによって、効果が期待できます。痛みがひどくなってからでは遅いので、我慢せず早めに服用してください。

また、冷たい飲食物の多量摂取や喫煙、ダイエットなど、血行が悪くなる行為は生理痛が悪化する原因となるので控えましょう。反対に、おなかを温める、軽く体を動かすなど、骨盤内の血流を良くすると生理痛が緩和します。

これらで対処できない場合は病気が潜んでいる可能性もあるので、産婦人科を受診し、医師に相談してください」

(ライフスタイルチーム)

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尾西芳子(おにし・よしこ)

産婦人科医(日本産科婦人科学会会員、日本女性医学学会会員、日本産婦人科乳腺学会会員)

2005年神戸大学国際文化学部卒業、山口大学医学部学士編入学。2009年山口大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院研修医、日本赤十字社医療センター産婦人科、済生会中津病院産婦人科などを経て、現在は高輪台レディースクリニック副医院長。「どんな小さな不調でも相談に来てほしい」と、女性のすべての悩みに答えられるかかりつけ医を目指している。産科・婦人科医の立場から、働く女性や管理職の男性に向けた企業研修を行っているほか、モデル経験があり、美と健康に関する知識も豊富。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yoshiko-onishi/)。