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夏の「カフェイン飲料」は危険? 脱水時に起きやすい“急性中毒”の症状と対処法

特に注意すべき人や飲み物は?

 特に気を付けるべき飲み物は何でしょうか。

「近年人気のエナジードリンクは、カフェインが1缶50ミリグラム以上入っているものが少なくありません。中には、100ミリグラムを超えるものも販売されています。水分補給目的でエナジードリンクを飲むと、急性カフェイン中毒のリスクが一気に高まります。

緑茶や紅茶は、ペットボトル(500ミリリットル)のカフェイン量は100ミリグラム程度(コーラ飲料は50ミリグラム)で、1本を一気に飲むことはほとんどないので、通常であれば、深刻な急性カフェイン中毒になる危険性は低いと言えます。しかし、先述の通り、のどが乾くと飲む量が増える上に、カフェインには利尿作用があるため、さらに摂取が増えやすく、結果的にカフェインの摂取量も多くなります。

カフェインへの感受性が高い人や、知性・理性を司る前頭前野の機能が発達途中の子どもの場合は、摂取について特に注意が必要です」

 急性カフェイン中毒を引き起こした場合の治療法や、発症時の対処法などはあるのでしょうか。

「現在のところ、カフェインの作用を止める拮抗(きっこう)薬はありません。心臓の不整脈や異常興奮、感覚過敏、嘔吐、吐き気といった症状が見られたら、急性カフェイン中毒が疑われるため、ただちに病院に行くべきです」

 最後に、夏場の水分補給のポイントについて聞きました。

「家庭でよく飲まれる緑茶やウーロン茶、ほうじ茶には、100ミリリットル当たり約20ミリグラムのカフェインが含まれています。こまめな水分補給が必要な夏の時期は、カフェインを含まず、カリウムなどのミネラルも補給できるブレンド茶や麦茶の摂取をお勧めします」

(ライフスタイルチーム)

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