オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

  • HOME
  • ライフ
  • 夏の「カフェイン飲料」は危険? 脱水時に起きやすい“急性中毒”の症状と対処法

夏の「カフェイン飲料」は危険? 脱水時に起きやすい“急性中毒”の症状と対処法

脱水時にカフェインを取ると、急性カフェイン中毒になるリスクが高まります。その原因や症状、適切な水分補給の方法について専門家に聞きました。

脱水と急性カフェイン中毒の関係とは?
脱水と急性カフェイン中毒の関係とは?

 35度以上の猛暑日となる地域が相次ぐ今年の夏。熱中症や脱水症状を引き起こしやすいこの時期に欠かせないのが水分補給ですが、どんな飲み物でもよいというわけではありません。体内の水分が不足している時に、コーヒーやエナジードリンクなどカフェインを含む飲料を飲み過ぎると、急性カフェイン中毒を引き起こす危険があるからです。

 夏場の水分補給時、カフェインを含む飲料にはどのようなリスクが潜んでいるのでしょうか。カフェイン研究の第一人者で、カフェイン摂取の影響に詳しい元東京福祉大学教授の栗原久さん(神経行動薬理学)に聞きました。

カフェインの1回摂取量は80ミリグラム程度

 カフェインには「アデノシン受容体」を遮断するという特徴があります。アデノシンとは、神経を鎮静させる作用を持つ物質のことです。カフェインは、アデノシンの神経活動抑制作用を弱めることで、間接的に脳を興奮させたり、心臓を刺激したりします。コーヒーが眠気覚ましに使われるのはこのためです。

 栗原さんによると、カフェインの作用は以下の4つに分類されます。このうち、2と3は利尿作用とも関係します。

1.脳に対する刺激作用
2.心臓に対する刺激作用
3.末梢(皮膚や筋肉内)血管の拡張作用
4.脳血管の収縮作用

「通常のカフェイン摂取許容量について、ヨーロッパの基準(大人)では、1日400ミリグラムを間欠的に摂取するものとし、1回量は80ミリグラム程度とされます。この量であれば、脳に対する刺激作用によって集中力の維持や疲労感の軽減があるほか、パフォーマンスや思考、運動機能の維持・向上が見られ、日常生活にとってプラスの効果が得られています」(栗原さん)

 一方で、カフェインを一度に摂取し過ぎると、急性カフェイン中毒を引き起こす危険があるといいます。どのような症状が現れるのでしょうか。

「1回のカフェイン摂取量が200ミリグラム以上になると、大脳への刺激過多により、思考・注意力の低下(前頭前野の過剰興奮)、光や音に対する過敏反応(感覚野の過剰興奮)、手指の震え(運動野の過剰興奮)が生じたり、延髄の刺激で嘔吐(おうと)・むかつき(悪心=吐き気)が起きたりします。

また、心臓に対する刺激作用が強すぎることから不整脈が起きる可能性があります。カフェインの致死量は5~10グラムで、死因のほとんどは心臓への過剰刺激による循環不全です」

 それでは、のどが渇いた状態(脱水状態)でカフェインを含む飲料を飲むことの危険性とは、どのようなものでしょうか。

「脱水症状には、高張性(体内水分量の減少)と低張性(血中ナトリウム+濃度の低下=真水の過剰摂取が原因)の2つがありますが、『のどが渇いた』という自覚は前者の脱水状態と関連します。

ミネラルウオーターや緑茶など電解質濃度の低い低張性飲料を飲む場合、通常は胃に取り込める水分量に限りがあるため、一度に大量に飲むことはできません。しかし、夏場にのどが渇いた時は、胃壁が広がりやすくなっているため一気に飲むことができます。そのため、のどが渇いた時に、コーヒーや緑茶、コーラなどのカフェイン含有飲料を飲むと、カフェイン摂取量が多くなるリスクがあります」

1 2