酷暑に朗報? 水とタオルでできる冷房パワーアップ術が「素晴らしい」と話題に、効果はある?
エアコンの室外機を、バケツに入れた水と濡れタオルで冷やすアイデアが話題になっています。

日本列島は酷暑が続き、冷房を使用する機会が増えてエアコンの室外機もフル稼働状態です。そうした中、冷房機能を高めるために、エアコンの室外機を「バケツの水と濡れタオル」で冷やそうと提案するツイッターの投稿が話題になっています。SNS上では「素晴らしいアイデア」「冷え方が明らかに違う」などのコメントが見られますが、本当に効果があるのか、大手エアコンメーカーに聞きました。
理論的には、効く可能性あり
投稿したのは、茨城県つくば市でコーヒー店を経営するツイッターアカウント名「sugayan」さんです。コーヒー店仲間に教えてもらった方法を実践したもので、ツイッターの投稿はリツイートが約6万、「いいね」が約9万3000に上っています。
エアコンは、室外機やその周囲が高温だと熱を逃がしにくくなり、冷房効果が落ちてしまいます。そこで「sugayan」さんは、室外機の上に水が入ったバケツを置き、タオルの端を水に浸して、タオルの残りを室外機の上部を覆うように広げ、室外機の熱を下げようと試みました。
果たして効果はあるのか、ダイキン工業(大阪市北区)の広報担当者に聞きました。
Q.そもそもエアコンの室外機の役割は。
担当者「エアコンは、室内機が室内の空気を吸い込み、熱だけを奪い取って室内に冷たい空気を吹き出しています。奪い取られた熱は、室内機と室外機の間を循環している『冷媒』を通じて、室外機に運ばれます。
室外機は室外の空気を吸い込み、室内から運ばれた熱を乗せて、より熱い空気を吹き出しています。この時、室外機が吸い込む空気の温度が低いほど、多くの熱を乗せて吹き出すことができるため、効率的な運転ができます」
Q.話題になっている室外機の冷却方法の効果は。
担当者「当社ではこの方法を検証していないため、具体的な効果は分からないのが現状です。ただ、理論的には効き目が良くなる可能性はあります」
Q.具体的には。
担当者「水を含んだタオルを室外機の上にのせると、タオルに含まれた水が気化する際に天板の熱を気化熱として奪い、室外機の天板の温度が下がります。同時に、室外機周辺の温度まで下がれば効き目が良くなる可能性はあります。
ただし、当社では、室外機の天板の温度が下がることで室外機が吸い込む空気の温度がどこまで下がるか分からないため、実際に効果があるかは分かりません」
Q.オススメの室外機の冷やし方は。
担当者「立てかけ型のすだれである『よしず』や、植物をネットなどに覆わせた『緑のカーテン』を使って、日陰を作ってあげるのが効果的です。ただし、室外機は背面から風を吸い込み、正面に吹き出しながら熱交換するので、よしずなどを室外機に近づけすぎると風の通り道をふさいで効率が下がってしまい、本末転倒となってしまいます。ここは注意ポイントです」
なお、今回の冷却方法では、通電部とモーターに濡れたタオルが触れると感電の危険があるとのこと。お試しの際は、十分な注意が必要です。
(報道チーム)
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