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お盆を持つ姿がきゃわわ~! 唐津焼のリスの置物に「愛くるしい」と反響、作者に聞く

お盆を持ったリスの姿を表現した、小さな唐津焼の陶器がSNS上で話題になっています。

小杉隆治さん制作「ど~ぞのリス」。ピッチャー(中)とお盆のパターンがある
小杉隆治さん制作「ど~ぞのリス」。ピッチャー(中)とお盆のパターンがある

 ちょこんとお盆を持つリスの姿を表現した小さな陶器の画像が「愛くるしい」「1時間以上見つめてしまった」「リアル」とSNS上で話題になっています。制作者は唐津焼の陶芸家。唐津焼といえば茶道具用の器で有名ですが、なぜこのような陶器を作っているのか、話を聞きました。

「無償のかわいらしさ」を表現

小杉隆治さん
小杉隆治さん

 制作しているのは、佐賀県唐津市で「小杉窯」を開く小杉隆治(りゅうじ)さん(40)です。同市出身の小杉さんは、漫画家を夢見て九州産業大学(福岡市)に入学しましたが、そこで陶芸に出合って方針転換。卒業後、唐津焼の窯元「敬善坊窯」の中里鉄也さんに師事し、2003年に独立しました。

「一楽二萩三唐津」などと言われ、茶道具の名品を生み出してきた唐津焼の世界で、小杉さんは異色の存在です。「ヒラメの大皿」「イカの箸置き」など、造形にこだわり、置物的要素を重視した作品を多く作ってきたからです。「細工物」と呼ばれる分野で、独立当初は、魚介類を題材にした皿や箸置きなどの食器類が中心だったそうです。

Q.「茶陶」で有名な唐津焼の中で、置物的作品にこだわるのはなぜですか。

小杉さん「確かに、茶陶が唐津焼の『王道』ではありますが、唐津くんちの曳山(ひきやま)を題材にした作品など、細工物の伝統もあります。私の師匠(中里さん)も細工物に取り組んでいるからこそ師事したのですが、唐津焼の一つの伝統を受け継ぎたいと思っています」

Q.造形にこだわる一方で、皿や箸置き、お盆など、実用性も兼ね備えているのですね。

小杉さん「単なる置物だと、飾っただけで終わってしまう恐れもあります。日常生活の中で使ってもらえる物を作ることで伝統が続くと思っています」

Q.かつては、魚介類を題材にした作品が多かったようですが。

小杉さん「今でも柱の一つは魚介類です。陶芸家を本格的に志したのは学生時代だったのですが、『ヒラメの大皿』が好評だったことが、きっかけの一つでした。釣りも好きですし、何より地元の唐津は海の幸が豊富なので、題材に事欠きません」

Q.そんな中、リスの置物を作るようになったきっかけは。

小杉さん「魚以外で『小杉窯らしさ』を追求できないか考えていた頃、結婚して子どもができました。その姿に『無償のかわいらしさ』を感じ、この気持ちを表現できないかと考え、リスや小鳥などの小動物を題材に作り始めました。リスは5年ほど前から作っています」

Q.とてもリアルだという声があります。時間がかかりそうですが、1日どれくらいの数を作れるのですか。

小杉さん「ペットショップの小動物コーナーで観察したり、動画サイトを何度も見たりしました。お盆を持っているのは、リスがドングリなどを持っている姿から、お菓子やナッツを『はい、どーぞ』と差し出す姿を想像したからです。サイズを合わせるために、大まかな型取りはしますが、だいたい手作業で1日10個が限界です。ほかの作品の作業をしながらではありますが」

Q.苦労した点は。

小杉さん「本体とお盆は別々に作り、素焼きの前に合体させます。お盆がお盆自体の重みで傾いてくるので、少し上向きの状態で合体させて、少し下がってちょうど水平になるように調整するのですが、乾き具合が足りない状態だとうまくいきません。その加減が難しいです」

Q.今後は。

小杉さん「魚介類の作品と、リスなどの『かわいい』系の作品の両方で頑張っていきます。かわいい系の作品で、若い女性のお客さんなども増えているので、より幅広い層に唐津焼の細工物の魅力を知ってもらいたいです」

 小杉さんの作品は7月25~30日、東京都中央区銀座4の「ギャラリーおかりや」で展示・販売されます。リスの置物は4320円(税込み)、魚介類の箸置きは1080円(同)など。

(報道チーム)

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