何じゃこりゃ!? うどんをすする謎の「はにわ」のインパクトが強力すぎる…作者に聞いた
香川県内の「道の駅」で売られている、ちょっと不気味な商品が話題となっています。

香川県内の「道の駅」で売られている、ある商品が話題となっています。それは、うどんを食べるおじさんのような顔をした「はにわ」。シュールな顔もさることながら、香川の名物であるうどんと、はにわを組み合わせる斬新な発想で、SNS上では「すごいインパクト」「なんか見てしまう」「欲しい」などの声が上がっています。制作者の男性に聞きました。
次の文明期に残る作品を
どこかうつろな目をしたはにわ、笑っているはにわ、中には鼻からうどんをすすっているはにわもいて、一体ずつ表情が違います。うどんを食べるはにわの名前は「のんのさん」。和歌山を拠点に活動している“はにわ作家”松江直樹さん(38)が制作しました。
Q.「はにわ作家」として活動を始めたのは、いつからですか。
松江さん「大学4年の夏ごろです。子どもの頃からの夢だったおもちゃメーカーに就職しようと、名前だけで『環境デザイン学科』を選んだら、実際に学ぶのが建築関係だと入学後に知りました。親の手前、とりあえず卒業だけはしようと死んだように3年ほど過ごしていましたが、たまたま4年生のゼミで出合った陶芸にどっぷりハマり、現在に至ります。
当初は肩書が必要だと考えましたが、『陶芸家』ってほどでもないと思い、自分で勝手に『はにわ作家』を名乗るようになりました」
Q.これまでに制作したはにわの数は。
松江さん「数えきれないほど作っています。数万体を超えていると思います、置く場所がなくて庭にもあふれています」
Q.なぜ「はにわ」ばかり作っているのですか。
松江さん「器は作っている人が多く競争率が高すぎ、私よりもうまい人がたくさんいると感じました。もともと造形の方がしっくりきたこともあって、はにわを作っています。
また、思春期に『ムー』という雑誌を愛読していたこともあり、未来の人が自分の造形についてどう思うのか興味があります。いずれ世界が次の文明期に入った時、紙媒体やデータは残らないのではないかと考えています。半永久的に残る造形の力に魅力を感じています。実際 縄文時代の焼き物も残っています」
Q.はにわの中でも「のんのさん」は表情が豊かですね。
松江さん「はにわは表情が命です。私自身はあまり感情を表せないタイプで、はにわがその代わりになっているというか、抑え込んだ感情のはけ口のような存在になっています」
Q.「のんのさん」を作ったきっかけは。
松江さん「7~8年ほど前に、縁のあった香川県の雑貨屋である『メイクメリー』さんから、『香川土産を』という依頼があり、作り始めました。香川県には『うどん』という分かりやすいシンボルがあったので、構想から完成までそれほど時間はかかりませんでした」
Q.工夫したことは。
松江さん「最近作っている『のんのさん』では、うどんを吸う時のほっぺのへこみ具合を工夫しています」
Q.SNS上で話題となっていることについては。
松江さん「ちょうど炎天下で掃除をしている際、ポケットの中に入れていたスマホがずっと鳴っていました。何事かと思ったら、SNSでバズっていることを知らせる友人、知人からの連絡で驚きました。情報が拡散されたことで、以前から作品を買ってくれていた人たちがツイートを目にし、喜んでくださっていることを知ってうれしかったですね」
Q.「のんのさん」はどこで購入できますか。
松江さん「高松市内にある『道の駅 源平の里 むれ』限定商品です。値段は3800円前後です」
Q.今後、取り組んでいきたいことは。
松江さん「久しぶりに再開した、はにわのLINEスタンプを完成させることです。以前、はにわのアニメーションを作っていたことがあるので、作成方法を思い出しつつ作業を進めています」
(報道チーム)
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