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ベランダで「ハトの卵」を発見した漫画が話題に 勝手に捨てたら違法と知った作者、実際には?

自宅のベランダでハトの卵を発見した体験を描いた漫画が話題になりました。作者は「自分で駆除をすると法に触れる可能性があることを知った」そうですが、実際のところは――。

漫画「ベランダに突如現れた卵の話。」の1カット=つきん(@tukin_art)さん提供
漫画「ベランダに突如現れた卵の話。」の1カット=つきん(@tukin_art)さん提供

「家に住み着いたハトを追い払ったり、卵を捨てたりするのは違法」

 こうした内容の漫画が先日、SNS上で話題となりました。漫画は、自宅のベランダでハトの卵を発見した体験を元にしたもので、卵の処理方法を調べた作者は、「自分で駆除をすると法に触れる可能性があることを知った」とのこと。しかし、放置すれば糞害(ふんがい)や悪臭、騒音、近隣からの苦情などが懸念されるため、専門業者に駆除を依頼したそうです。

 これについて、SNS上では「知らなかった」「犯罪だったのか」「追い払うのもダメ?」「勝手に卵を捨てたことがある」など、さまざまな声が上がっています。卵の駆除の法的問題について、グラディアトル法律事務所の刈谷龍太弁護士に聞きました。

野生の鳥類はすべて「鳥獣」

Q.自宅に住み着いたハトを駆除すると、法律違反となるのは事実でしょうか。

刈谷さん「ハトは、いわゆる鳥獣保護管理法(以下「法」)における『鳥獣』に該当し(法2条1項)、原則、捕獲や採取、損傷をしてはならないとされています(法8条)。違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金に処するとされており(法83条1項1号)、未遂罪も罰するとされています(法83条2項)。鳥獣とは、鳥類または哺乳(ほにゅう)類に属する野生動物を指します(法2条1項)。つまり、野生の鳥類はすべて該当します。

もっとも、鳥獣による被害が生じている場合は、都道府県知事の許可を受けることで捕獲などが認められます(法9条1項)。つまり、都道府県知事の許可を受けずに、捕獲や採取、損傷という手段を用いてハトを追い払うと、法律違反となるでしょう」

Q.具体的に、どのような駆除行為が法律違反に該当しますか。

刈谷さん「まず、網や罠などを用いて捕獲、採取する方法による駆除行為は法律違反に該当します。また、猟銃や薬などを用いて損傷する方法で行う駆除行為も、法律違反に該当するでしょう。さらに、鳥類の『卵』も保護対象とされているため、卵を採取し捨てるなどの駆除行為も法律違反に該当すると考えられます。

一方、ひなや卵がない空っぽの巣だけを撤去する場合、許可は不要である上、法律違反にも該当しません。また、音を出したりそばに近づいたりするなど単に脅かして追い払う場合も問題ありません。そばに近づいて脅かすだけでは、そもそも捕獲や損傷しようという故意がないと認められますし、仮に損傷してしまった場合でも、過失犯を処罰する規定はないからです」

Q.「保護」についてはどうでしょうか。例えば、ベランダに住み着いたハトにエサをやる、室内で飼うなどの行為も違法でしょうか。

刈谷さん「ベランダに住み着いたハトにエサをやる、室内で飼うなどの飼養行為も『捕獲』に該当するため、禁止されています。飼養したい場合、まずは捕獲することについて前述の都道府県知事の許可を受けます。その上で、飼養することについて都道府県知事の登録を受ける必要があります(法19条1項)。

なお、傷ついたり弱ったりしているハトを緊急行為として保護した場合は、その旨を遅滞なく管轄する役所に連絡しましょう」

(ライフスタイルチーム)

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刈谷龍太(かりや・りょうた)

弁護士

1983年千葉県生まれ。中央大学法科大学院修了。弁護士登録後、都内で研さんを積み、2014年に新宿で弁護士法人グラディアトル法律事務所(https://www.gladiator.jp/)を創立。代表弁護士として日々の業務に勤しむほか、メディア出演やコラム執筆などをこなす。男女トラブル、労働事件、ネットトラブルなどの依頼のほか、企業法務において活躍。アクティブな性格で事務所を引っ張り、依頼者や事件に合わせた解決策や提案力に定評がある。

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