2024年以降の業種別「倒産発生予測ランキング」発表 1位の業種「84社に1社」が倒産の可能性
2024年以降の「業種別倒産発生予測ランキング」が発表されました。「84社に1社が倒産の可能性あり」と予測された1位の業種とは……。
AI与信管理サービスを提供するアラームボックス(東京都新宿区)が、2024年以降の「倒産危険度の高い上位10業種」の予測をランキング形式で発表しました。
「2024年問題」不安視も
今回ランクインした10業種は、2022年12月1日から2023年11月30日に収集された1万3496社・24万4689件のネット情報などから、1年以内に倒産する危険性がある「要警戒企業」を分析・抽出し、予測されたものです。
調査結果によると、「倒産危険度の高い業種」の1位は「農業」。「84社に1社が倒産する危険性あり」とされました。業歴の長い企業や新興企業でも倒産と支払い遅延が発生している他、コロナ禍の業務用需要の減少や高騰した飼料の影響により、資金繰りが悪化した企業が息切れ倒産を起こしていると考えられるということです。コロナ禍による需要減少に落ち着きは見えたものの、飼料穀物の海外依存度の高さや燃料費高騰による生産コストの増加、過剰生産といった業界課題は依然として残っているといい、引き続き警戒が必要としています。
2位は「繊維・衣服等卸売業」(92社に1社が倒産する危険性あり)。前回8位から順位を上げる形となった同業種は、倒産や事業停止が発生した他、「粉飾決算」の情報が数社出ていたとのこと。コロナ禍の長期化による衣料品の需要低下や海外企業との競争激化により収益が低下し、資金繰りが悪化した企業が新たに資金を調達するために粉飾決算を行ったとみられています。
ランキングは以下、3位「職別工事業」(設備工事業を除く。98社に1社、同)、4位「電気業」(104社に1社、同)、5位「繊維工業」(107社に1社、同)と続く結果となりました。
同社は「2024年4月に適用開始する働き方改革関連法により、物流・運送や建設、医療などの業界で、人手不足や売上減少といった影響を受ける『2024年問題』が不安視されています」と指摘。その上で、「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金といった企業支援策の新規受付が終了し、ゼロゼロ融資の返済が本格化しています。これにより、倒産リスクが高まる企業が増加していますが、財務基盤がぜい弱な多くの企業にとって、取引先倒産によって引き起こされる代金未回収が資金繰りに与える影響は大きくなっています」「これらの経営リスクを回避するべく、企業には取引先の業種動向や倒産リスクを常に把握することが求められます」とコメントを寄せています。
(オトナンサー編集部)
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