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美味とはいえ…「フグ肝が食べたい」要求は犯罪になるかも? 事件から読む食品衛生法

大阪のフグ料理専門店が「フグ肝」を客に提供し、経営者が食品衛生法違反で逮捕・起訴された事件。「フグは食いたし命は惜しし」の言葉通り、美味で知られるフグ肝ですが、私たちが強く提供を求めた場合も罪に問われる可能性があるようです。

美味で知られるフグ肝。食べたい欲求があまりに強すぎると…

 大阪のフグ料理専門店が、法律で提供が禁止されている「フグ肝」を客に出し、経営者が食品衛生法違反で逮捕・起訴された事件は記憶に新しいことでしょう。

 「フグは食いたし命は惜しし」の言葉通り、毒で死ぬことを覚悟しても食べたいほどの濃厚な美味とされるフグ肝ですが、こうした事件に発展しないように、フグを扱う業者や飲食店、そして私たち消費者はどんなことに気を付けるべきでしょうか。

強く要求すれば共犯の可能性

 弁護士の藤原家康さんによると、食品衛生法が取り締まるのは基本的に、フグ肝などの危険部位を提供(調理・販売)する側で、もし提供すれば「3年以下の懲役または300万円(法人は1億円)以下の罰金」の罪になるといいます。

 そして危険部位を提供した場合、飲食店の許可取り消しや営業禁止(停止)などの行政処分を受けることもあり得るそうです。

 では、飲食店などで提供されたフグ肝を食べた場合、私たちは罪に問われることになるのでしょうか。答えは「基本的にはノー」(藤原さん)。ただし、客が強く要求して提供させた場合は“共犯”になる可能性があるといいます。

 客の要求を受けて提供した店側は当然、食品衛生法違反に問われることになります。

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藤原家康(ふじわら・いえやす)

弁護士

東京大学法学部第一類卒業。2001年10月弁護士登録(第二東京弁護士会)。一般民事事件・刑事事件・家事事件・行政事件・破産事件・企業法務などに携わる。日本弁護士連合会憲法委員会事務局次長、第二東京弁護士会人権擁護委員会副委員長などを歴任。中学校・高校教諭免許(英語)も保有する。TBS「ひるおび!」「クイズ!新明解国語辞典」「夫婦問題バラエティ!ラブネプ」、フジテレビ「お台場政経塾」などメディア出演多数。

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