エースコック「スーパーカップ」発売35周年 開発の経緯&人気の味は?
エースコックが販売する大盛りカップ麺「スーパーカップ1.5倍」の開発経緯について、同社に聞きました。
エースコック(大阪府吹田市)が販売する大盛りカップ麺「スーパーカップ1.5倍」が今年で発売35周年を迎えました。「ラーメンをたくさん食べたい」と感じたときに購入している人は多いのではないでしょうか。そもそも、なぜスーパーカップ1.5倍を開発したのでしょうか。現在、どの商品が特に人気なのでしょうか。同社広告宣伝室の担当者に聞きました。
現社長が試食調査で開発を決断
Q.「スーパーカップ1.5倍」を開発した経緯について、教えてください。なぜこのような大盛りのカップ麺を開発したのでしょうか。
担当者「現社長の村岡寛がマーケティング本部長時代、社内の会議で上がった『今のカップ麺の量は物足りない』という意見に引っ掛かりを感じたことが開発のきっかけです。
そこで、実際に若者たちがカップ麺の量に不満があるかどうかを調査したところ、『適量』という結果が出たそうです。この時点で調査を終わらせてもよかったのですが、量を増やした試作品を用意していたこともあり、念のため試食調査を実施しました。
一般的な商品の麺の量は60グラムです。試食調査では、麺の量を“1.5倍”の90グラムに増やしたカップ麺を提供し、その際、あえて麺を増量したことを伝えませんでした。すると、食べた人は、『いつも食べている商品と同じで適量』と答えたそうです。
こうした調査結果から、大盛りのカップ麺のニーズがあることに強い自信を持った村岡は、大盛りタイプのカップ麺の開発に踏み切り、1988年7月に『スーパーカップ1.5倍』が誕生しました」
Q.「スーパーカップ1.5倍」は、主にどの世代の人が購入しているのでしょうか。
担当者「30~50代の男性のほか、主婦の皆さまにご購入いただいております。特に主婦のお客さまはお子さんのために購入するケースも多く、若年層の男性にもよく食べていただいております」
Q.現在、「スーパーカップ1.5倍」は何種類の味があるのでしょうか。また、人気の味について教えてください。
担当者「1.5倍シリーズは、『しょうゆラーメン(以下、しょうゆ)』『みそラーメン(以下、みそ)』『とんこつラーメン(以下、とんこつ)』『野菜タンメン』『豚キムチラーメン』のほか、コンビニ限定商品の『ブタキムラーメン』の6種類です。
また、麺が30グラムのミニサイズである『スーパーカップミニ もやしみそラーメン』『スーパーカップミニ 野菜ちゃんぽん』、カップ焼きそばの『スーパーカップ 新・いか天ふりかけ焼そば』も販売しています。
しょうゆ、みそ、とんこつの3種類が圧倒的に人気で、売り上げもしょうゆ、みそ、とんこつの順に多いです。また、豚キムチは1993年に発売後、大ヒットした商品です。このほか、その時代の流行に合わせて、年間10種類以上の期間限定商品を販売しております」
Q.これまでに販売した期間限定商品の中で人気だった商品はありますか。
担当者「当社が数多く製造してきた『スーパーカップ1.5倍』シリーズの中でも特に人気だった商品は、2015年に販売した『ギョーザパンチラーメン』です。日本人の国民食とも言えるギョーザの味わいをカップ麺で再現したのが特徴で、2023年1月に復刻販売しました。
ギョーザパンチは、『大ヒットした豚キムチを超える商品を作りたい』という思いから、開発に着手しました。単にギョーザのタレをスープで再現するのではなく、ギョーザを一口食べた瞬間の肉や野菜の味わい、うまみを一杯のラーメンで再現することに徹底的にこだわりました」
試作品の試食調査が実施されていなかったら、スーパーカップ1.5倍は誕生していなかったかもしれません。スーパーやコンビニでスーパーカップ1.5倍を見掛けたら、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか。
(オトナンサー編集部)
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