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子どもと満席の電車にいたら、高齢者に席を譲られ…お言葉に甘える? 断る? どうすべき?

満席の電車やバス内で高齢者と居合わせた場合、子連れの親はどのように振る舞うべきなのでしょうか。

高齢者と幼児、着席の優先度が高いのは?
高齢者と幼児、着席の優先度が高いのは?

 親子で電車やバスに乗った際、高齢者に席を譲られ「子どもを座らせてもよいのかな」と悩んだ経験のある人も多いのではないでしょうか。小さな子ども、高齢者、妊婦などさまざまな人が居合わせる車内で、着席の優先順位をとっさに判断してスマートな対応をするのは難しいものです。

 公共交通機関の「座席」について、子連れの親はどのように振る舞い、しつけをするべきなのでしょうか。著書に「1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ」(日本実業出版社)などがある、子育て本著者・講演家の立石美津子さんが解説します。

子どもがしっかり立てるなら、高齢者に譲る

 以前、都内で電車に乗った際、5歳くらいの子どもとその母親が立っていることに気づいた年配の女性が、子どもに向かって「どうぞ、ここに座って」と席を譲ろうとしていたのを目撃したことがあります。その時、母親はお礼も言わずに子どもを席に座らせていました。

 この場合、お礼を言わない母親に対して問題を感じる人が多いと思いますが、そもそも電車に乗った際、何歳までの子どもであれば優先的に座らせるべきなのでしょうか。

「未就学児は運賃無料」「小学生でも半額」なのだから、子どもが座る権利はない考える人もいるようです。しかし実際は、2~3歳の子どもを立たせておくことは揺れる車内で危険が多い上、他の乗客の迷惑になる可能性もあります。

 先述の5歳くらいの子どもとその親は「せっかく席を譲ってくれたのに断ったら相手に申し訳ない」と思い、厚意に甘えたのかもしれません。その気持ちは理解できますが、5歳児の場合は、他人に悪いかどうかより、“子どもの教育”のためにも、断った方がよかったのではないでしょうか。

 2~3歳児に比べると、5歳児は体も骨もしっかりしてきているので、手すりにつかまっていれば一人で立っていることはできるでしょうし、ある程度の我慢もできる年齢です。

 とはいえ、譲ってくれた相手に対して、あからさまに「うちは子どもには電車内で席に座らないように教えていますので」では悪印象を与えかねません。場合によっては、相手の方が席を譲ろうとした自分を責めてしまう可能性もあるでしょう。

 断る際は「いえいえ、もう少しで降りますから大丈夫です。ありがとうございます」と笑顔で対応しましょう。ただし、子どもの体調が悪かったり、病気だったりした場合は、素直に厚意に甘えてもよいと思います。

 また、親子で座っている時に、高齢者や妊婦さんが乗ってきた場合は、子どもがしっかり立っていられる年齢だったら「もうすぐ降りますから、どうぞ」と相手が座りやすい言葉で伝えて、席を譲りましょう。

 こうした状況における親のNG行為は「子どもだから座らせてもらって当然」という態度を取ること。特に、席を譲ってくれた相手にお礼の一言すら伝えないのは、子どものお手本となるべき親として不適切です。子どもの年齢や障害、病気などの事情を問わず、もし席を譲ってもらったら、「ありがとうございます」などの感謝の一言や、丁重なお断りの言葉を忘れずに伝えましょう。子どもも自然とお礼を言うように幼少期から心がけることも大切なしつけです。

 さまざまな人が利用する公共交通機関だからこそ、利用客が不快な思いをしないように、お互いに心配りを忘れないようにしたいものです。

(文/構成・ライフスタイルチーム)

立石美津子(たていし・みつこ)

子育て本著者・講演家

聖心女子大卒。幼稚園・小学校・特別支援学校教諭免許を取得後、20年間学習塾を経営。現在は著者・講演家として活動。自閉症児の母。著書は「1人でできる子になる テキトー母さん流 子育てのコツ」「はずれ先生にあたったとき読む本」「子どもも親も幸せになる発達障害の子の育て方」など多数。オフィシャルブログ(http://www.tateishi-mitsuko.com/blog/)。