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ストレッチで「無理に伸ばす」 体にどう影響? ベストな時間帯は? スポーツインストラクターが解説

前屈や開脚の際に痛みを感じるまで伸ばした場合、体にどのような影響を及ぼすのでしょうか。スポーツインストラクターに聞きました。

ストレッチの際に無理に伸ばすとどうなる?
ストレッチの際に無理に伸ばすとどうなる?

 体の柔軟性を高めるために、前屈や開脚などのストレッチをする人がいます。その際、痛みを感じるまで伸ばす人がいるようですが、その場合、体にどのような影響を与えるのでしょうか。また、ストレッチに取り組むのに最適な時間帯はあるのでしょうか。

 ポールウオーキングなどのプログラムを提供するスポーツ施設「Feel」(千葉県我孫子市)を運営する、スポーツインストラクターの長岡智津子さんに聞きました。

筋肉が硬くなる原因に

Q.そもそも、ストレッチをするメリットについて、教えてください。

長岡さん「ストレッチにはさまざまなメリットがあり、主に次のような効果を得ることができます」

【ストレッチのメリット】
・柔軟性の向上
・血行促進
・疲労回復
・肩こり、腰痛、関節痛の軽減
・姿勢が良くなる
・メンタル強化
・美肌につながる
・むくみを改善する

Q.ストレッチをするのに最適な時間帯、避けた方がよい時間帯はあるのでしょうか。

長岡さん「『起床後の目覚めをよくしたい』『寝ている間に使っていない筋肉に軽く刺激を与えたい』という目的であれば、起床後にストレッチをしても良いと思います。ただし、寝ている間は筋肉を大きく動かしていないため、強過ぎるストレッチは行わない方がよいでしょう。運動を行う前は準備体操として、運動後はクールダウンとしてそれぞれストレッチが必須です。

リラックスしたり、体のコリを和らげたりする目的でストレッチをする場合、ご自身が心地良くできそうな時間帯に行うことが最適です。就寝前に、軽いストレッチをすると睡眠の質が良くなるといわれています。

ストレッチの目的に合わせて、軽めのストレッチ、強めのストレッチをしてみましょう」

Q.前屈や開脚をするときに痛みを感じるまで伸ばす人がいますが、その場合、体にどのような影響を与えるのでしょうか。また、筋肉痛や腰痛のときにストレッチをしてもよいのでしょうか。

長岡さん「ストレッチは本来、体を心地良い状態にすることや、柔軟性を高めてけがを予防するのが目的のため、筋肉の伸ばし過ぎは良くありません。痛みを感じるほどの強いストレッチをすると、逆に筋肉が硬くなってしまったり、筋肉を痛めたりするため、お勧めしません。ストレッチの際は心地良く感じる程度に伸ばし、息を止めないようにしてください。

筋肉痛や腰痛のときに軽いストレッチをすると、痛みが軽減されることがあります。ただ、腰痛のときにストレッチをしたい場合は、事前に医師に相談した方がよいです」

Q.体の柔軟性を高めるのに効果的なストレッチの方法について、教えてください。

長岡さん「立った状態でのストレッチは、体のバランスを保つために余計な力が入りやすいため、座った状態や寝た状態でストレッチをするのがお勧めです。呼吸を止めず、ゆったりとストレッチをすると、次第に体の柔軟性が向上します。入浴後、好きな音楽を聞きながら行うなど、ストレッチを毎日の生活に取り入れると良いです。

ストレッチなどの運動は、継続しないと効果がありません。日々の生活で楽しく、気持ちよく体を動かすと、体だけではなく心もウキウキしてきます。ストレス解消や、質の良い睡眠のためにも適度な運動は大切です。ぜひ自分に合った運動を見つけてみましょう」

(オトナンサー編集部)

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長岡智津子(ながおか・ちづこ)

スポーツインストラクター

日本体育大学卒業後、国立競技場トレーニングルームに勤務。健康増進に関する多くの公共事業や講演、自主サークルの立ち上げなどに関わった後、2017年に「Feel」(千葉県我孫子市)設立。指導歴は30年以上で、現在、健康増進体操やソシアルダンス、ポールウオーキングといった健康に携わる指導を1週間当たり150人以上に指導しているほか、ダイエットや姿勢改善、膝腰の痛み、睡眠障害、フレイル予防など、多くの人の健康に関する生きがいづくりに対処している。保有する資格は、中高教員免許、スポーツプログラマー、トレーニング指導士、ソーシャルフィットネスコーチ、ポールウオーキングマスターコーチプロ、アロマコーディネーターなど。Feel(https://www.feel-nagaoka.com/)。

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