シイタケを食べると炎症? 「しいたけ皮膚炎」ってどんな病気? 皮膚科医に聞いた
生焼けのシイタケを食べると、強いかゆみや炎症が現れる「しいたけ皮膚炎」という病気があるそうです。どんな病気なのか、どんな治療を行うのか、皮膚科医に聞きました。
あなたは「しいたけ皮膚炎」という病気を知っていますか。生や、加熱が足りない状態のシイタケを食べると、強いかゆみや炎症が現れる病気で、バーベキューを楽しむ機会が増える行楽シーズンに多いといわれているようです。
「しいたけ皮膚炎」とはどのような病気で、どんなことに気を付けたらいいのでしょうか。たかはし皮膚科クリニック(兵庫県尼崎市)院長で皮膚科医の高橋謙さんに聞きました。
夜には「眠れないほどのかゆみ」
Q.「しいたけ皮膚炎」とはどんな病気ですか。
高橋さん「加熱が不十分な半生状態のシイタケの摂取により、数時間後から2~3日以内に発症する皮膚炎です。主な症状としては強いかゆみを伴ったり、かいた通りの形に皮膚炎(赤く膨れた炎症)を生じたりします。
火の通りが完全でないシイタケを食べることが原因となりますが、その原因物質についてはまだよく分かっていません」
Q.しいたけ皮膚炎を発症しやすい人、条件とは。
高橋さん「青年男性に多い印象ですが、圧倒的に多いのはバーベキュー時に半生のシイタケを食べ、さらにその際にアルコールを摂取しているケースです。その他、鍋物のときにも同様のケースが起こることがあります。ただし、飲酒は必ずしも発症条件ではありません」
Q.しいたけ皮膚炎の症状が現れたら、どうすればいいですか。
高橋さん「夜には眠れないほどのかゆみが出てくるため、症状出現時には速やかに皮膚科を受診してください。
似たような症状の病気に、引っかくなどの刺激で出てくる『機械性じんましん』があります。見分けるポイントとして、しいたけ皮膚炎は体幹部(背部・腹部・前胸部)に多くみられ、簡単には引いていかないのに対し、機械性じんましんは体の至るところに出現し、刺激を加えなければ30分から数時間で消失していく傾向にある点です。また冷却も有効です」
Q.しいたけ皮膚炎はどのように治療するのですか。再び悪化したり、再発したりすることはあるのでしょうか。
高橋さん「かゆみや皮膚炎を抑える治療が中心となり、抗アレルギー剤の服用や、ステロイド系外用剤の塗布を行うことになります。いったん治ってしまえば、再燃(再び悪化)することはありません。
しかし、生焼け状態のシイタケをまた食べることがあれば、再発はあり得ます。そのため、シイタケを食べるときは十分に加熱してあるものを食すようにしましょう。また、乾燥シイタケを水で戻したものや、その抽出液を摂取することでも発症するとの報告もあり、これらも十分な加熱によって予防できます」
(オトナンサー編集部)
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