2023年上半期「インターネット上で悪評・クレームが多い上位15業種」発表 1位の業種「1社あたり4.89件」のクレーム数
2023年上半期「インターネット上で悪評・クレームが多い上位15業種」が発表されました。「1社あたり4.89件」のクレーム数となった1位の業種とは……。
AI与信管理サービスを提供するアラームボックス(東京都新宿区)が、2023年上半期の「インターネット上で悪評・クレームが多い上位15業種」をランキング形式で発表しました。
コロナ禍収束で“需要増加”の業種も
調査期間は2023年1月1日から同年6月30日。対象企業は、同社でモニタリングしており業種登録がされていた1万410社。インターネット上に投稿された口コミのうち、同社が「悪評・クレーム」と分類したものを集計しています。
スマートフォンやSNSが普及し、情報収集・発信を誰でも手軽に行えるようになった現在ですが、消費者庁が発表した「消費者意識基本調査(2022年)」によると、SNSの利用を情報収集目的で活用している人が84.1%と最多で、多くの人がSNSから情報を得ていることが分かりました。これを受け、同社は「企業はSNSやインターネット上にある悪評やクレームなどの書き込みが事業に悪影響を与えないよう、適切なレピュテーションマネジメント(評判管理)を行い、社会からの評判を維持・向上させる必要がある」と、今回の調査背景についてコメントしています。
調査の結果、「インターネット上で悪評・クレームが多い業種」の1位は「無店舗小売業」。1社あたりの平均悪評・クレーム数は4.89件でした。クレームの内容としては、購入した商品に関する不満、配送や梱包に関する不満が多く発生しており、また、これらの不満から問い合わせをしたところ十分な対応を受けられなかったとして、新たなクレームにつながっているものが多数見受けられたといいます。昨今は小売や卸売を行う多くの企業が通販事業を展開していることから、さまざまなジャンルの小売業が上位にランクインする結果となりました。
書き込まれた内容のうち、最頻出単語は「商品」で、1200回以上使われていたとのことです。その他は「購入」「残念」「対応」「発送」といった単語が続き、商品に関するクレーム以外では、ショップの対応や配送関連のトラブルについての言及が頻出しています。
美容関連では、エステサロンや美容クリニック、化粧品の製造販売など3つの業種がランクイン。最頻出単語は「施術」、次点で「予約」となりました。内容は、美容院や美容クリニックの施術後の仕上がりに関するもの、脱毛エステやクリニックの予約の取りにくさに関するもの、化粧品や健康食品の効果に関するものが多数。3つの業種に共通するクレームとしては、契約の説明不足に関するものがあり、「契約前に聞いていた内容と違うサービスを受けさせられた」「強引に勧誘され契約するまで帰してもらえなかった」「普通に購入したはずが、いつの間にか定期購入の契約になっていた」など、顧客が企業に対して不信感を持ちクレームを書き込んでいる様子がみられたといいます。
また、10位には、コロナ禍が収束する中で需要が増加している「宿泊業」が入りました。最頻出単語は「部屋」で、宿泊業のクレームの約半数が部屋について言及する結果に。臭いや清掃面、予約サイトに掲載された写真とのギャップに不満が発生していたとのことです。老朽化した施設に対する不満やトイレや風呂の故障、不衛生さを指摘するものも多かったといい、フロントでの待ち時間の長さや配膳の遅さなど、接客に関する不満も発生していました。これらの悪評・クレームを受け、同社は「コロナ禍で資金余力がなくなった宿泊施設が設備投資に資金を回すことができない状況や、人手不足の深刻化による清掃や接客業務の対応不足が予想されます」と分析しています。
(オトナンサー編集部)
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