今さら聞けない「キャッシュレス決済」の基本 ポイント「三重取り」するには? クレカは何枚持つ? コツ&注意点をFPが解説
ポイントをおトクに獲得するコツは? 二重取り・三重取りも可能
それぞれのキャッシュレス決済で、お得にポイントを獲得するコツを解説します。例えば、クレジットカードは、自分がよく使うサービスに応じたカードを選びましょう。お勧めの選び方は次の通りです。
■デパートやスーパーで買い物をする場合
対象の店舗で割引の適用が受けられる「流通系カード」がお勧め。イオンカードやエポスカードなどが該当。
■鉄道や飛行機をよく利用する場合
ビューカードやJALカードなどの「交通系カード」がお勧め。
■ネットショッピングをよく利用する場合
楽天カードやPayPayカードなどの「ネット・通信系カード」がお勧め。
クレジットカードを選ぶ際は年会費無料のカード、還元率が高いカードを優先します。カードのブランドも分けておくと安心です。1枚はVisa、もう1枚はMastercardまたはJCBという具合です。
電子マネーは、お住まいの地域で使える交通系電子マネーがお勧めです。使える店舗が多い上に、電車やバスにも乗れます。あるいは、地元のショッピングセンターで使えるものもよいでしょう。
例えば、スマホアプリの「モバイルSuica(スイカ)」は、JR東日本の在来線に乗車する際、50円ごとに1ポイントの「JRE POINT」が手に入る上に、ビューカードなどのクレジットカードでチャージするときにもJRE POINTが付与されます。JRE POINTは、モバイルSuicaにチャージして使えます。
そして、スマホ決済もクレジットカードや電子マネーと同様、生活の中で使えることが大切です。その点で考えると、利用できる店舗が多い「PayPay(ペイペイ)」は利用したいところです。
もう1つ選ぶなら、先述のように普段利用しているサービスと相性の良い決済サービスを選びましょう。例えば、楽天ポイントをためているなら楽天ペイ、メルカリをよく使っているなら「メルペイ」という具合に、自分の生活に合ったスマホ決済を利用すれば、同じポイントがためやすくなります。
ポイント還元のお得度をアップさせるためには、ポイントの二重取り・三重取りが欠かせません。キャッシュレス決済を組み合わせたり、店頭で所定のポイントカードを提示したりすることで、1回の買い物でもらえるポイントを増やすことができます。
例えば、電子マネーやスマホ決済の支払い方法にクレジットカードを指定すれば、電子マネーやスマホ決済のポイントとクレジットカードのポイントの両方がもらえます。また、ポイントカードを提示してクレジットカード払いをすれば、ポイントカードのポイントとクレジットカードのポイントの両方がもらえます。これがポイントの「二重取り」です。
このほか、電子マネーやスマホ決済の支払い方法にクレジットカードを指定し、買い物時にポイントカードを提示することで、ポイントの三重取りも実現可能。実質的なポイント還元率を大幅にアップできます。
キャッシュレス決済の注意点は?
キャッシュレス決済は、今後私たちの生活にさらに浸透していくと思いますが、利用する上で注意点も知っておく必要があります。
まず、キャッシュレス決済の場合、現金が減っていく感覚がありません。そのため、つい使い過ぎてしまう可能性が高いということです。「毎月の予算を決め、定期的に管理する」「キャッシュレス決済の中でも、買い物の支払いと同時に金融機関の口座から代金が引き落とされるデビットカードを主に利用する」などの対策を考える必要があります。
また、セキュリティーの問題もあります。クレジットカードの磁気ストライプに記録されている情報を盗み取る「スキミング」によるカードの不正利用など、カード情報を不正に入手されてしまうリスクがあります。不正利用に気付いた場合は、すぐにカード会社に連絡をしてください。多くのカード会社では、不正利用に対する補償制度を設けているので、確認しておきましょう。
スマホ決済の場合も、スマホにさまざまな個人情報が保存されているので、紛失すると不正に利用される可能性があります。スマホを利用する際は、顔認証や指紋認証といった生体認証の設定を忘れないようにしましょう。
今回は、キャッシュレス決済のさまざまな疑問について解説しました。キャッシュレス決済が私たちの生活に浸透するだけでなく、国がNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を推進するなど、お金を取り巻く状況はかなり変化してきています。時代の変化に適用できるように、ぜひ、お金の知識を身に付けてくださいね。
(ファイナンシャルプランナー、Money&You取締役 高山一恵)
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