大人なら必ず押さえておきたい「電車」のマナー
電車内は、不特定多数の人が居合わせる「公共の場」です。皆が快適に過ごすために意識すべきマナーを確認しましょう。

通勤や通学、プライベートでの移動など、日々多くの人が利用する「電車」。時間帯によっては大勢の人が乗り込むこともあるため、電車内で快適に過ごすには一人一人のマナー意識向上が不可欠です。電車をスマートに、気持ちよく利用できるようにするために心掛けるべきマナーについて、国内外で活躍中のマナーコンサルタント・西出ひろ子さんが解説します。
電車内の迷惑行為
一般社団法人日本民営鉄道協会が実施した、電車内での迷惑行為についてのアンケートがあります。10位まで、以下のような迷惑行為がランクインしています。
1位 騒々しい会話・はしゃぎまわりなど
2位 歩きながらの携帯電話・スマートフォンの操作
3位 座席の座り方
4位 乗降時のマナー
4位 荷物の持ち方・置き方
6位 ヘッドホンからの音漏れ
7位 携帯電話・スマートフォンの着信音や通話
8位 車内での化粧
9位 ゴミ・空き缶等の放置
10位 酔っぱらって乗車する
(参考:一般社団法人日本民営鉄道協会 平成28年度「駅と電車内の迷惑行為ランキング」)
どの迷惑行為も、誰もが一度は体験したことがあるのではないでしょうか。電車内での迷惑行為が乗客同士のトラブルとなり、電車の遅延につながるケースもあります。スムーズな電車の運行や快適な空間作りのために、大人としてこうしたマナー違反をしないように気を付けたいものです。
では、具体的にどのようなマナーを意識すべきなのでしょうか。
【電車内でのテンションに注意】
家族で電車に乗って出掛けたり、親しい仲間グループで移動したりと、楽しく上機嫌で電車を利用することがあるでしょう。テンションが上がっている状態だとついつい話が弾み、声のボリュームが上がってしまうものです。自分たちは気にならなくても、周囲にとってはその声が耳障りに感じてしまうこともあります。
また、子ども連れで乗車している場合、子どもが電車内を走ったりはしゃいだりしないよう注意が必要です。できるだけ静かにするよう注意し、周りに迷惑がかかっていると思ったら、一言「申し訳ありません」と伝えましょう。それだけで印象は大きく異なります。
【駅での歩きスマホは絶対にNG】
最近、駅構内や電車内でも「歩きスマホ禁止」を伝えるポスターやアナウンスが増えています。歩きスマホをしていると、自分だけ歩くペースが遅くなったり、前から向かってくる人を避けたりすることができなくなります。
また、ホームで歩きスマホをすると、人とぶつかってスマホが線路に落ちてしまう危険があるだけでなく、自分自身やぶつかった相手も線路へ転倒する恐れもあります。歩きスマホは命に関わる危険行為です。駅や車内で移動する際もスマホは見ないようにしましょう。
【座席は1人分のスペースで】
電車で「あの人がもう少し横に寄ってくれたら、もう1人分のスペースができるのに…」と感じたことはないでしょうか。1人で2人分以上の座席スペースを使うことのないように、隣の人とは拳1つ分くらいの空間を作るのを目安に、詰めて座りましょう。
また、浅く座ると足が前に出てしまうため、前に立つ人に足が当たったり、余分なスペースを取ったりしてしまいます。座席に座る際は、しっかりと深く腰をかけ、足はできるだけ座席に寄せておくように心掛けることが大切です。
【降りる人を待ってから乗る】
電車の乗降時は「降りる人が先」「乗るのは降りる人がいなくなってから」というのが一般的なマナーです。まだ降車している人がいるにもかかわらず、途中で無理やり乗り込むのは非常に迷惑な行為です。降りる時は、前の人に続いてスムーズに降りるよう心掛けましょう。
また、電車を待つ際はきちんと列に並ぶようにします。多くの駅では、2列で並び、電車が到着すると左右のドアに沿って列が移動し、順に乗っていきます。しかし、中には、列に並ばずに横から割り込む人もいるようです。並んでいた人たちを不快にさせる行為はNGです。
【荷物は膝の上か網棚に】
混雑した車内では、お互いの荷物がぶつかったり場所を取ったりしてトラブルになる場合があります。座席のスペースを取って荷物を置いたり、通路にはみ出すように置いたりすることのないよう、着席時は膝の上か網棚に荷物を載せるようにしましょう。
また、立っている時はできるだけ荷物を自分側に寄せるようにします。特にリュックサックの場合、背負ったままだと幅を取ってしまいます。肩から下ろし、網棚に置くか、周囲の状況に応じて手に持ったり、抱えたりします。
足元に置くと、周りの人のスペースを取ってしまうほか、移動の際につまずくなどの危険もあります。よほど大きく、床に置くしかない荷物以外は避けるようにしましょう。
【ヘッドホン・イヤホンは思っている以上に小さく】
電車で、ヘッドホンやイヤホンをして音楽などを聴くことが習慣の人もいるでしょう。自分にとっては快適な音楽でも、イヤホンから漏れてくる音を不快に感じる人は大勢います。イヤホンの音は、たとえ自分では小さくしているつもりでも、周囲には意外と聞こえているもの。音量を常に意識しておくことが大切です。
【車内では着信音も通話もサイレントに】
電車内での携帯電話やスマートフォンは、マナーモードに設定しておくことが鉄則です。着信音だけでなく、ボタンの操作音もしないように設定しておきましょう。
電車内で着信があった場合は「今、電車なので後でかけ直します」とだけ話し、電話を切る人もいます。一言だけ話してすぐに電話を切ったとしても、電話に出ることに変わりはないため、マナー違反だと認識する人もいます。
この場合、可能であれば、着信は気付いてもスルーしてメールなどで電車内にいることを伝えてもよいでしょう。あらかじめ留守番電話の設定をしておき、用件だけでも相手が伝えられるようにする方法もあります。
【電車での化粧は美しくない】
通勤や通学など朝の忙しい時間は皆同じ。慌てて家を出て「電車で移動中に化粧をしよう」と考える人もいるかもしれませんが、これは美しい行為とは言えません。化粧をしている女性がいると、男女問わず目のやり場に困るものですし、狭い空間で化粧品の匂いが漂うと気分を悪くする人もいます。
また、電車が揺れた時、手に持っていたファンデーションや口紅が隣の人に付いてしまう可能性もあります。「自分さえよければ」という気持ちで行動するのは控えましょう。
【電車にゴミを残さない】
電車の中でガムをかんだり、ペットボトルなどで飲み物を飲んだりすることもあるでしょう。混雑時でなければ問題ありませんが、ゴミを電車内に置くことは絶対にしてはいけません。
例えば、コーヒーの空き缶を通路に放置していたらどうなるでしょうか。誰かがその缶を蹴ってしまえば、電車の揺れでその缶は転がり続け、底にたまっていたコーヒーが流れ出ることになりかねません。誰かの靴や服を汚したり、滑ってしまったりする恐れもあります。電車内で出たゴミは持ち帰るか、ゴミ箱に捨てるようにしましょう。
【なるべく酔いが醒めてから乗車する】
飲み会などの帰りに電車を利用する場合もあると思います。飲酒後は普段よりも声が大きくなったり、判断が鈍ったりすることがあります。あまりにも酔っぱらっている時は、ホームのベンチで少し休むなどして、酔いが醒めてから電車を利用するようにしましょう。
混雑時は、酒臭さに不快感を抱く人もいます。自分と周り、双方のためにも、ほどほどの飲酒が理想的です。
優先席のマナー
電車には「優先席」が設けられています。優先席は、高齢者や身体の不自由な方、妊婦さん、子ども連れ、けが人などが優先的に座るシートです。優先席で注意すべきマナーは、次の通りです。
【譲るべき人を最優先に】
電車内が混雑していない時は、優先席に座る人もいるでしょう。座ってはいけない決まりはありませんが、やはり高齢者や妊婦さんなど優先的に座るべき人が乗車してきたら、すぐに席を譲るようにしましょう。
【体調不良など見た目ではわからない人も】
優先席に座っている若者を見ると「他の人に譲ってはどうか」と声を掛ける人もいるでしょう。しかし、急な体調不良などでやむを得ず座っている可能性もあります。高齢者が乗車していたら、席を譲るように声を掛けてもよいですが、その人の状況も考慮した声掛けが大切です。
周囲への優しさを
優先席はもちろんのこと、普通の座席でも、妊婦さんやお年寄りには席を譲る、譲ってもらったら、「ありがとうございます」の一言を言うなど、一人一人が相手を思いやることで、電車内の空間は快適になります。電車は多くの人の正しいマナーがあるからこそ、日々スムーズに運行することができます。いつも、周囲への優しさを持ち、マナーを守って電車を利用したいものです。
(文/構成・ライフスタイルチーム)
雨の日の、濡れた傘の持ち方マナーが悪い人もたくさんいます。
1.たたまない人
2.かばんやポケットに引っ掛けてブラブラさせて他人の服を濡らすひと
3.他人の靴の上に雨水を垂らすひと
>>【座席は1人分のスペースで】
としか思わない人が多くて困ります。【“車内空間は”1人分のスペースで】と思うべきなのです。座らず立っていても、そういう意識でいるべきなのです。
一部の特急(しらさぎ,ソニック)とかで進行方向変わるのに座席の向きを変えない人(ふじかわ,いなば,ひだ,こまちは元々一部逆向きのため例外)と 普通のクロスシート車両の折り返し時に座席の無期を変えずそのまま座る人 あれ正直気分悪いです 途中駅からの利用者のことを考えてください。