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ネット上で賛否の嵐! 「人の家に素足で上がる」のはアリ? ナシ? 適切な「足元」をマナーコンサルタントに聞いてみた

ネット上で定期的に話題になる「他人の家に素足で上がるのはアリか、ナシか」問題。マナー的観点からみた場合、適切な「足元」とはどういうものなのか、マナーコンサルタントに聞いてみました。

「素足で訪問」…あなたはどう思う?
「素足で訪問」…あなたはどう思う?

 今年も暑さ厳しい夏が到来しました。夏休みなどで、人の家に“お呼ばれ”する機会もあるかと思いますが、これについて定期的に話題となるのが「他人の家に素足で上がるのはアリか、ナシか」問題です。

 夏はサンダルを履く機会が増えることもあり、素足で人の家を訪問することについて「失礼だと思う」「素足はあり得ない」「そもそもサンダルで行くべきじゃない」「靴下やスリッパを持参してる」「素足でペタペタ歩かれるのはちょっと…」「気にしたことないので、玄関でお客さんが靴下を履いてたらびっくりするかも」「全然気にしない」「別に不快じゃない」など、さまざまな意見が聞かれます。

 そこで、マナーの観点からみたとき、人の家に上がる際の「足元」はどうすればよいのか、一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」(東京都港区)代表理事で、皇室のマナー解説やNHK大河ドラマのマナー指導などでも活躍する、マナーコンサルタントの西出ひろ子さんに聞きました。

相手が「アリ派」「ナシ派」のどちらなのかを考える

Q.「夏場、人の家に裸足で上がる」ことについて、「アリ派」「ナシ派」含めさまざまな意見や考え方があるようですが、これについてどう思われますか。

西出さん「まず、マナーには本来“正解”はありません。なぜならば、マナーは相手の立場に立つ思いやりの心を形で表現するものだからです。それは、相手や状況などによって変わります。よって、今回のテーマについて『アリ派』『ナシ派』それぞれの方がいらっしゃるのも自然なことです。人はそれぞれに、さまざまな考えを持っています。

ここで、マナーの観点から言えることは、自分が『アリ派』『ナシ派』のどちらなのかということではなく、相手がどちらなのかを察したり、知ったりするのが大切だということです。そして、自分とは異なる考えの人に対して、ダメ出しをしたり、ジャッジしたりするのではなく、たとえそれを受け入れられなくても、受け止めて差し上げる優しさがマナーの心だと考えます」

Q.マナー的観点からみた場合、夏場に人の家に上がる際の「足元」はどうするのがよいのでしょうか。

西出さん「一般的には、『人さまのお宅に上がるときには、素足でない方がよい』という考えの人が多いようです。そうしたことを踏まえると、スリッパをお借りする場合でも、『素足ではなく、靴下やストッキングを履いていく』のが自然になりますね。『自分は素足でいたくても、相手の気持ちを考えて素足は避ける』という選択の気遣いに、人としての美しさを感じます。

マナーとは、相手の立場に立って、相手を不快にさせないという気持ちが大切です。素足を避ける理由としては、皆さんのご意見にもある通り、足裏の汗や汚れなどを直接、床やカーペットなどにつけないためです。一方で、もし床にほこりなどがあるとすれば、それが自分の足裏に付着する可能性もあります。マナーは、双方のプラスを生み出すものです。

また、夏場にサンダル以外の靴を履く際は、素足で履くよりも、綿の靴下を履いて、汗を吸い取ってもらう方が清潔といえるのではないでしょうか。訪問先の方を不快にもせず、一石二鳥です」

Q.その他、夏場に人の家にお呼ばれした際に注意するとよいことはありますか。

西出さん「基本的なことですが、『お邪魔します』『お招きくださりありがとうございます』などのあいさつを忘れずに伝えましょう。また、汗をかく人は、呼び鈴やインターホンを鳴らす前に、ハンドタオルなどで汗を抑えて清潔感や爽快感を保った状態で訪問しましょう。

せっかくお呼ばれをしたのですから、その時間と空間は双方気持ちよく過ごしたいものですね。夏は暑さも相まって、ささいなことについイライラしてしまうときもあります。お互いに相手の立場に立つ真心マナーで、心地よい夏をお過ごしください」

(オトナンサー編集部)

【要注意】清潔感ゼロ!? 人の家を訪問するときに控えるべき「足元」NG例

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西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント、マナー解説者、美道家

ヒロコマナーグループ代表。一般社団法人「マナー&プロトコル・日本伝統文化普及協会」代表理事。大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経て、マナー講師として独立。マナーの本場英国へ。オックスフォードにて、オックスフォード大学大学院遺伝子学研究者のビジネスパートナーと1999年に起業し、お互いをプラスに導くマナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナーコンサルティングなどを行い、他に類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績はテレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「龍馬伝」をはじめ、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」などのドラマや映画、CMのマナー指導・監修者としても活躍中。著書は28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)、16万部を超える「改訂新版 入社1年目 ビジネスマナーの教科書」(プレジデント社) など監修含め国内外で100冊以上。「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」「かつてない結果を導く 超『接待』術」(共に青春出版社)など子どものマナーから、ビジネスマナー、テーブルマナーなどマナーのすべてに精通。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)。
※「TPPPO」「先手必笑」「マナーコミュニケーション」「真心マナー」は西出博子の登録商標です。

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