「心理検査」受けたら、何が分かるの? 心理カウンセラーが注意点&費用も解説
今さら聞けない「心理検査」の実態。心理カウンセラーに内容や費用などについて聞きました。

ニュースなどで度々、見聞きする「心理検査」。しかし、「心理検査」と聞いて、どんな診療が行われ、費用がどれくらいなのか知らない人も少なくないと思います。そこで、そこで心理カウンセラーの平井綾乃さんに、心理検査の内容、注意点、費用などについて聞きました。
占いのような心理テストとは異なる
Q.ずばり、「心理検査」を行うとどのようなことが分かるのでしょうか。内容も含めて教えてください。
平井さん「心理検査の目的はさまざまで、知能や発達の程度を調べるためであったり、人それぞれの性格や性質、物事をどのように捉える傾向にあるか、といった自身の内面を知る手がかりをつかむためであったりします。
そのため検査方法も大きく異なります。例えば知能検査では口頭や動作での反応をもとに検査を進めるのですが、他には自分のイメージしたものを絵にするものもあれば、アンケートのように一つずつ質問に答えていく方式もあります。
代表的な検査方法として『WAIS』『ロールシャッハテスト』『バウムテスト』『内田クレペリン検査』『YG性格検査』などが挙げられます。
ただし、その内一つの検査を実施すれば何もかもわかる、というわけではありません。より詳細にその人を理解するためには、複数の異なる検査を組み合わせて実施することもよくあります」
Q.心理検査は「どこ」で、「どのくらいの値段」で受けることができるのでしょうか?
平井さん「精神科や心療内科での診療において、医師が必要と判断した際に受けるという流れが一般的です。また、臨床心理士が開業したカウンセリングオフィスなどで、自費にはなるものの検査を受けられる機関もあります。
そのほか、学齢期の児童などに限りますが、発達検査や知能検査を自治体の施設で公費によって受けられるケースもあります。
金額は施設によって異なりますが、病院やクリニックなど保険適用のある場合は診察費用を含めて1回の通院で5000円程度、数回の通院が目安です。
一方で、保険適用が効かない検査の場合は、いくつかの検査を組み合わせるケースなどでは数万円単位と少し高額になることも考えられます」
Q.心理検査を受ける際に注意することはありますか?
平井さん「心理カウンセラーなどが実施する心理検査は、ちまたでよくある占いのような心理テストとは異なり、検査を受けた後にその人の生活を改善することを前提に実施されるものです。
そのため、的確なアドバイスや困ったときのサポートが行き届くように、フォローアップが充実しているクリニックや施設で受けていただくのがベストだと思います」
まとめ
心理検査は、医師が診断を下すための情報を得るために実施されるものです。検査を通じてさまざまな視点から患者のことを理解し、カウンセリングの道筋や生活習慣改善のために役立てられます。
「結果を知る」ことがゴールではなく、検査結果を踏まえて自分の内面をより深く理解したり、現在の悩みや改善したいことに向けて役立てられると良いのではないでしょうか。
(オトナンサー編集部)
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