せっかくのデザインが台無し? 「明治ザ・チョコレート」パッケージにSNSで賛否、見解を聞く
受賞ラベル付きの「meiji THE Chocolate(明治ザ・チョコレート)」のパッケージをめぐり、SNS上で賛否両論が起きています。
明治(東京都中央区)が製造する「meiji THE Chocolate(明治ザ・チョコレート)」のパッケージをめぐり、SNS上で賛否両論が起きています。元々「おしゃれなデザインのパッケージ」と評価されていたところに、海外アワードの受賞ラベルが付いたからです。SNS上では「パッケージデザインを台無しにしている」「元のデザインはシンプルだから楽しめた」と否定的な意見がある一方、「いろいろな賞の受賞を見せて購入層を広げる良い手段だ」と肯定的な意見もあります。同社に取材しました。
「間」を持たせて独自の世界観を創出
現在の「明治ザ・チョコレート」は、2016年9月に販売を開始しました。クラフト紙風の茶色い紙箱に、カカオの実を大きく描いたシンプルなデザインのパッケージが特徴の板チョコです。カカオの品質や製法にこだわり、価格は220円前後で従来の板チョコの約2倍。にもかかわらず、味とパッケージ人気で、発売当初から計画を上回るペースで売れました。
特にパッケージは「かわいい」と女性を中心に人気で、消費者がイラストをパッケージに描いたり、カカオの実のデザインを切り抜いて手帳やスマホケースに張ったり、アクセサリーやネイルのモチーフにしたりしたものが、SNS上で拡散しました。
受賞ラベルを付けた理由と今後の対応などを、菓子商品開発部専任課長スペシャリティチョコレート担当の山下舞子さんに聞きました。
Q.なぜ「明治ザ・チョコレート」を発売したのですか。
山下さん「『ただの甘いおやつ』というチョコレートのイメージを嗜好(しこう)品に変えたかったからです。チョコレートは、おやつなどとして買いやすい低価格帯と、百貨店などで売られている高価格帯に二極化しています。質が高いチョコレートを身近な場所で手軽に展開できる市場を作るため、『明治ザ・チョコレート』を発売しました」
Q.2014年9月に初代が発売されました。2016年9月にリニューアルされたのですが、なぜ現在のデザインになったのですか。
山下さん「ブランドに込めた作り手の思い、カカオ作りに対する深いこだわりを感じていただきたいからです。リニューアル以前、高品質なチョコレートを認知してもらう取り組みをさまざまなブランドで過去7回挑戦しましたが、うまくいきませんでした。カカオの原料や製造方法にこだわり抜いたチョコレートであるため、専門店のような世界観を実現し、一般のお店に専門店の売り場を作ろうという趣旨でパッケージを作りました」
Q.デザインの特徴は。
山下さん「一般的なチョコレートのパッケージは、説明が盛りだくさんでおいしそうな写真を大きく使ったものが多いです。そこで、あえて『間』を持たせたデザインにすることで、独自の世界観を出すように工夫しました。デザインはカカオの実をモチーフにしています。
『明治ザ・チョコレート』には、エレガントビター、サニーミルク、フランボワーズ、抹茶など8種類のチョコレートがあり、色と柄は全て異なります。色や柄は食べた時の味の印象と、食べた後の気持ちや変化を表現しています」
Q.デザインは女性に人気でSNSでも拡散しました。
山下さん「お客さまが、パッケージで新たに絵を描くなど遊んでくれる現象が自然に生まれました。全く予想していないことでした。ちょうど『インスタ映え』がはやり出した時期と重なり、自分で手作りしたり、自分なりの表現をしたりしたいという欲求が、パッケージデザインと合致したからかもしれません」
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