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実は女性も? 「水虫」になりやすい人に共通する3つの生活習慣、皮膚科医に聞いた

「水虫」になりやすい人には、いくつかの特徴や共通点があるようです。どんな人が水虫になりやすいのか、皮膚科医に聞いてみました。

「水虫」になりやすいのはどんな人?
「水虫」になりやすいのはどんな人?

 足の指の間や爪などにできる「水虫」。皮がむけたり、かゆみが出たりするなど、不快な症状を伴うのが特徴ですが、水虫に「なりやすい人」には、いくつかの特徴が存在するようです。どのような人が水虫になりやすいのでしょうか。肌クリニック大宮(さいたま市)院長で皮膚科医の相馬孝光さんに聞きました。

足拭きマットやスリッパなどの共有で感染

Q.そもそも、「水虫」とは何ですか。

相馬さん「水虫は、医学的には『白癬(はくせん)』といいます。皮膚糸状菌(通称『白癬菌』)という真菌(カビ)によって生じる感染症です。

白癬菌は、『ケラチン』というタンパクを栄養源に生きているカビなので、ケラチンが多く存在する皮膚の表面の角層に病変を形成することが多いです。また、角層が変化したものが毛や爪なので、毛や爪に白癬菌が感染することもあります。暖かく湿った環境を好むため、靴下や靴で覆われて高温多湿となりやすい足部の皮膚(角層)が、特に好発部位といえます。

最も頻度が多いものは、足に感染する『足白癬』です。そのうち『趾間型(しかんがた)』の水虫は、指の間の皮膚が白くふやけた状態になり、ジクジクしたり、皮がむけたりします。このタイプが最もよくみられる水虫です。

感染経路としては、水虫の人の足から剥がれ落ちた角層に付着した白癬菌が、足拭きマットやスリッパなどの共有によって、他の人に感染していくパターンが多いです。実際に、水虫の人がいる家庭をはじめ、スポーツジムやプール、公衆浴場の足拭きマットには、高確率で白癬菌が存在することが知られています。

ただし、白癬菌が角層に付着してもすぐに感染するわけではなく、その日のうちに足を洗い、清潔にした上で乾燥した状態を保てば、通常は感染しません。一方で、白癬菌が角層についたまま、湿度が高く不衛生な状態で長時間過ごすことで、感染が成立したり、悪化したりします」

Q.水虫になりやすい人の特徴とは。

相馬さん「一般的に、20歳を超えると足白癬の患者が増えるという統計があります。これは、そのくらいの年齢から社会人になり、靴を長時間履く習慣があるためではないかといわれています。『水虫は男性がなりやすい』というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、『靴を長く履く』などの生活習慣の違いを除けば、医学的に男女で水虫のなりやすさに差があるわけではありません。

生活習慣としては、『靴を長時間履く必要がある人』『ジムやプール、公衆浴場をよく利用する人』『家族に足白癬の症状がある人』などはリスクが高いです。食習慣は関係ありません。

運動やスポーツは汗をかいて蒸れやすいので、白癬が生じるリスクがあります。特に『股部白癬(いんきんたむし)』や『体部白癬(ぜにたむし)』などに罹患(りかん)することが多いです。

その他、免疫力が低下する疾患にかかっていたり、薬剤を服用していたりする人もリスクが高いです。また、動物に寄生する白癬菌が人に感染することもあるので、犬や猫を飼っている人は注意してください。なお、遺伝的素因は現時点では不明確です」

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相馬孝光(そうま・たかみつ)

医師(皮膚科)

肌クリニック大宮院長。日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医。社会人経験を経て、東海大学医学部に3年次学士編入学。2005年卒業。日本赤十字社医療センターで内科研修後、2007年東京慈恵会医科大学皮膚科学講座入局。同本院・柏病院、NTT東日本関東病院で勤務を経て、2012年にさいたま市にて肌クリニック大宮院長就任。一般皮膚科診療やアレルギー科診療から皮膚外科手術・美容皮膚科・アンチエイジングの相談まで幅広く診療しており、特にニキビ診療に注力している。患者さんの悩みにオールマイティーに応えていけることを理念とし、患者さんが笑顔になる瞬間にやりがいを感じて日々の業務に従事している。肌クリニック大宮(https://e-hifu.jp/)。

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