飲料、食用油、洗剤…ペットボトルのゴミ、中身によって分別方法が違うのは本当? 業界団体に聞く
ペットボトルは、中身によって分別方法が異なるのは本当なのでしょうか。業界団体に聞きました。
飲料だけでなく、調味料や洗剤などにも多く使われるペットボトルですが、どう捨てればよいのか迷ったことがある人は多いのではないでしょうか。基本的に飲料用のペットボトルはそのまま「ペットボトル」として回収されますが、食用油や洗剤が入っていたペットボトルは、プラスチック製容器や可燃ごみとして捨てなければならないようです。
ペットボトルは、中身によって分別方法が異なるのは本当なのでしょうか。自治体などが回収した容器包装のリサイクルを担当する、公益財団法人日本容器包装リサイクル協会(東京都港区)の担当者に聞きました。
ボトルに記載のマークで識別
Q.ペットボトルは飲料や調味料など、さまざまな商品に使われています。中身によって、分別方法が異なるという話を聞きますが、本当なのでしょうか。
担当者「本当です。容器の素材がペットボトルであっても、中身によってペットボトルとして取り扱うものと、『プラスチック資源ごみ』などといわれる、いわゆる『プラスチック製容器包装』として取り扱うものがあります」
Q.では、ペットボトルを分別する際の基準について、教えてください。
担当者「資源ごみとして取り扱うものは、ペットボトルの容器やラベルに識別マークが記載されています。『三角の中に1』と書かれた、いわゆるペットボトルマークが記載されていればペットボトル、『プラ』というマークの記載があれば、プラスチック製容器包装としてそれぞれ処理してください。ペットボトルのキャップやラベルもプラスチック製容器包装に該当します。
油やソースなど、ペットボトルとしての再生処理に支障が出るものが入った容器の中には、素材がペットボトルでもプラのマークが記載されていることがあります。その場合は、プラスチック製容器包装として分別すれば、最終的に資源ごみとして処理できます。
ただし、自治体によって基準が異なるため、お住まいの地域のルールに従って分別をお願いします。例えば、ペットボトルの中の汚れがひどい場合、可燃ごみとして捨てるよう指定する自治体があります」
Q.しょうゆやみりん、ノンオイルドレッシングに使われているペットボトルは、ペットボトルとして回収可能という話を聞いたことがありますが、本当なのでしょうか。
担当者「本当です。しょうゆやみりん風調味料、ノンオイルドレッシングなどの『特定調味料』は食用油脂を含まず、簡単な洗浄で臭いが除去できるものとして定められており、ペットボトルマークの対象となっています。ペットボトルマークが記載されていれば、ペットボトルとして分別してください」
Q.汚れがひどく、本来は可燃ごみとして捨てなければならないペットボトルをそのままペットボトルに分別した場合、どのようなデメリットが想定されるのでしょうか。反対に、ペットボトルに分別すべきボトルを可燃ごみや不燃ごみとして捨てた場合はいかがでしょうか。
担当者「可燃ごみとして捨てるべきペットボトルをそのままペットボトルに分別した場合でも、自治体での中間処理や再生処理工程で除去されます。ただし、除去をする手間や処理中に出る不要物が増えるため、人件費や処理コストの増加につながります。
一方、資源となるペットボトルを可燃ごみや不燃ごみとして排出した場合、そのまま可燃ごみや不燃ごみとして自治体で処理される可能性が高いです。本来有効利用されるはずの資源が減ってしまうのは、とてももったいないことです」
使用済みのペットボトルを捨てるときは、ボトル本体やラベルにペットボトルマークなどが記載されていないか確認しましょう。
(オトナンサー編集部)
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