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疲労&肩こりの改善に効果的? 「手のツボ」を押すメリット、注意点を専門家に聞く

手のツボをマッサージすると、疲労や肩こりの改善に効果的なのは本当なのでしょうか。専門家に聞きました。

手のツボを刺激するメリットは?
手のツボを刺激するメリットは?

 疲れているときや肩こりに悩まされているときなどは、手のツボをマッサージすると症状が改善するといわれています。手のツボをマッサージすると、体の調子が良くなるのは本当なのでしょうか。手のツボを刺激するメリットや注意点について、姿勢調整師の金野正博(こんの・まさひろ)さんに聞きました。

疲労回復などの効果が期待できる

Q.そもそも、手のツボをマッサージすると、どのような効果が期待できるのでしょうか。

金野さん「手のツボをマッサージすることで、血行促進や自律神経の調整のほか、精神的なリラックス、疲労回復などの効果が期待できます。

ただし、効果には個人差があります。また、長時間刺激すると、疲れが出ることもあるため、適度な時間で刺激するようにしましょう。

特に、妊娠中の人や病気の人、体調が優れない人は、事前に専門家に相談することをお勧めします。手のツボをマッサージすることで得られる具体的な効果は以下の通りです」

(1)血行促進
手のツボを刺激することで、血液やリンパ液の循環が促進され、疲れやストレスの軽減につながります。

(2)自律神経の調整
手のツボを刺激することで、交感神経と副交感神経のバランスが整い、ストレスや不安の緩和につながります。

(3)疲労回復
手のツボを刺激することで、筋肉の疲れが軽減され、疲れた体を回復させることができます。

Q.手のツボを刺激すると、肩こりや腰痛の改善にも効果的なのでしょうか。肩こりや腰痛の改善に効果的な手のツボについて、教えてください。

金野さん「手にはさまざまなツボがあり、肩こりや腰痛などの改善に効果的なツボもあります。ただし、症状によっては専門家の診断と治療が必要な場合もあるので、注意が必要です。肩こりや腰痛などの改善に効果的なツボは、以下の通りです」

(1)「合谷(ごうこく)」
肩こりや頭痛、目の疲れの改善に効果的なのが、「合谷」と呼ばれるツボです。合谷は、親指と人さし指の骨が交わった所から、やや人さし指寄りの凹みにあります。親指を合谷に当て、人さし指の方向に気持ちよいと感じる強さでやや強めに押します。「10秒押したまま維持した後、3秒ほど離し、また10秒押す」という動作を3~5回、繰り返します。

(2)「腰腿点(ようたいてん)」
腰痛の改善には、手の甲の2カ所にある「腰腿点」と呼ばれるツボを刺激しましょう。人さし指と中指の骨が接合する手前のくぼみを「第一腰腿点」、中指と薬指の骨が接合する手前にあるくぼみを「第二腰腿点」といいます。押したときに最も痛みを感じる部分に中指を当て、その両側に人さし指、薬指を合わせ、強く押し込みながら、小刻みに指の骨に沿って動かします。

マッサージの注意点は?

Q.手のツボを自分でマッサージするときの注意点について、教えてください。

金野さん「過度にツボを刺激したり、間違った方法でマッサージをしたりすると逆に症状を悪化させることもあるため、注意してください。手のツボを自分でマッサージする場合、以下の4点に注意することが重要です」

(1)ツボの位置を正確に把握する
正しいツボを刺激するためには、ツボの位置を正確に把握することが重要です。間違った場所に刺激を加えてしまうと、神経や血管、筋肉などに損傷を与えることがあります。

(2)適度な力加減で行う
過度な力でマッサージを行うと、筋肉や神経にダメージを与えたり、血管を損傷させたりすることがあります。力加減には注意しましょう。

(3)一度に複数のツボを刺激しない
複数のツボを同時に刺激すると、体に過剰な刺激を与えてしまうため、一度に1つのツボを刺激することが望ましいです。

(4)症状に合わせたツボを選ぶ
マッサージをするツボは、症状に合わせて選ぶ必要があります。適切なツボを刺激しない場合、先述のように、症状が改善されないだけでなく、症状が悪化する可能性があります。

Q.手のツボをマッサージする際は、ボールペンなどの道具を使ってもよいのでしょうか。

金野さん「道具を使ってマッサージする方法もありますが、力加減を調整するのが難しいため、慣れないうちは手で行うのをお勧めします。また、ボールペンや針金など、硬い物を使うとけがをする可能性があるため、避けた方がよいでしょう。手のツボをマッサージする際に効果的な方法は以下の通りです」

(1)指圧法
親指や人さし指、中指、薬指を使い、ツボに指圧する方法です。力加減に注意しながら、じんわりと圧を加えるように行います。

(2)もみほぐし法
親指と人さし指を使い、ツボをつまんで、ゆっくりと回すようにマッサージする方法です。

(3)摩擦法
手をこすり合わせ、円を描くようにツボをなでる方法です。手の平でツボをマッサージするときに効果的です。

(4)運動法
手を開いたり閉じたり、指を開いたり閉じたりする運動を行う方法です。手の筋肉をほぐすことができ、手の疲れやストレス緩和に効果的です。

 金野さんによると、肩こりや腰痛は、姿勢の悪さが原因となっているケースもあるということです。手のツボを刺激しても効果が実感できない場合は、専門家への相談をお勧めしています。

(オトナンサー編集部)

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金野正博(こんの・まさひろ)

姿勢調整師

子どもの頃、アトピー性皮膚炎に悩まされ、かゆみを我慢する日々を過ごす。その後、体質改善を行ったところ、アトピーが改善。食生活や生活環境を見直すことが重要だと気付き、健康に関する知識を独学で学ぶ。

また、猫背と扁平(へんぺい)足のために疲れやすく、体が不調になりやすい中、姿勢調整に出会い、劇的に改善。この技術を習得したいという強い思いから、姿勢調整師の資格を取得した。現在は、正しい姿勢に関する知識の普及に力を注いでおり、1人でも多くの人が健康的な生活を送れるようサポートしている。英語、フランス語、ヘブライ語を話す、工学系エンジニアでもある。姿勢専科KCSセンター武蔵中原、神奈川県姿勢調整師会、大阪観光大学姿勢科学ディプロマコース、KCSテクニカルアドバイザー。姿勢専科KCSセンター武蔵中原(https://www.kcs-center.com/centers/2801/)。

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